2ちゃんねる創業者のひろゆき氏は「論破王」と呼ばれている。なぜ鋭い質問ができるのか。話し方トレーナーの桐生稔氏は「鋭いコメントをする人は、『○○ですよね、そこで質問なんですが』と、前提をロックしてから本題に入る。ひろゆきさんは、その達人だ」という――。

※本稿は、桐生稔『「30秒で伝える」全技術 「端的に話す」を完璧にマスターする会話の思考法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

2つの手
写真=iStock.com/Marcin Wisnios
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不毛なやり取りがなくならない理由

仕事をしていて、こんな不毛なやりとりが続くケースに遭遇したことはありませんか?

【上司】「もっとがんばれよ」

【部下】「がんばってますよ」

【上司】「いや、もっとやれるだろう!」

【部下】「いや、やってますって!」

という会話。延々と平行線をたどるケースですね。または、

【上司】「あのお客様は契約いただけるだろう?」

【部下】「恐らく無理です。まったく興味なさそうです……」

【上司】「だって、お客様の方からお問合せがあったんでしょ?」

【部下】「お問合せされただけみたいです」

【上司】「何も興味なくてお問合せされないだろう!」

【部下】「でも、まったく興味がなかったんです!」

も同じような会話です。なぜこういったことが起きるでしょうか。

それは、お互いの前提が噛み合っていないからです。上司の「がんばる」と、部下の「がんばる」が一致していないときに起こります。