「孤独死するんじゃないかと思います」

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一方、派遣社員たちは、「今年の春に全員切られた」(大手商社)など、非常に厳しい環境に見舞われている。経済的にも体力・精神的にも不安でいっぱいだ(図4)。

バツイチの40代派遣Fさんは、「ときどき孤独死するんじゃないかと思います」と将来の不安を語る。離婚した03年から金融機関などで3カ月~半年の派遣を繰り返してきた。年収300万円では貯金もできず、仕事が途切れれば死活問題だ。証券外務員の資格を持っており、大手金融の契約社員という時期もあったが、リーマンショックであっという間に「雇い止め」。社会保険庁の職員に「女は年金なんかじゃ生きていけないよ。再婚しなさい」と真顔で言われたという。

「派遣で働くということは人間関係も希薄になるということ。昨年末から今年のお正月の5日間、スーパーの店員としか話さなかった。これからどうなるんでしょう……」

しかし、安定した収入ある夫と結婚した女性の中には、「派遣」という働き方を楽しむ人もいる。外資で派遣社員として働くGさん(31歳、年収300万円)は、「責任が少なくて正社員時代より幸せ。子供ができてもこのスタイルでずっと働きたい」と答える。かつて一般職として入社した中小企業では、給与は今より安いのに男性総合職とさほど変わらない働き方を強いられたという。「細く長く安定した」幸福な一般職の存在は、大企業限定なのかもしれない。

なぜ、子供のいない女性が一番幸福なのか?

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独身女性の不幸度は相対的に高く(図9)、女性の幸福には「結婚」という変数は欠かせないのだとわかる。が、「子供」に関しては意外な結果がでた。既婚子供なしの女性がトータルで一番幸福度が高いのだ。子供ありの女性は、非常に幸福、非常に不幸という回答の両極があった。夫や両親がいかに協力的かで幸福度が分かれるのだろう。

最終的に「年収、昇進、結婚」をすべて手にいれた女性が幸福という結果になったが、数字で表せる部分がすべてではないだろう。家族が幸せなら低収入でも幸せ、という人も多く、要はバランスなのだと思う。

男女雇用機会均等法の施行前、ホワイトカラー女性の多くは腰掛け的な一般職で、大きな差はなかったはず。が、今や同じ40代女性でも年収1000万円、高給取りの夫も子供もすべて手に入れた管理職もいれば、家賃の支払いだけでもカツカツの独身派遣もいる。しかし、不思議なほど他の職掌への妬みや恨みの声は少なかった。他を見るほどの余裕もなく、そもそもスタート時点から違うのだという諦観で格差を受け入れる──。そんな姿は、女性の階層固定の本格的な始まりを確信させるものですらあった。

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