そうした「私はこんな有力者と面識がある」というステータスは、過酷なサバイバルを求められている彼女たちには、とても頼りになる柱のような存在になり得る。

また、実際にアナウンサーたちは「結婚式の司会」や「イベントの司会」で、1本数十万円単位のお金が得られる副業を休みの日にこなしている場合も多い。そういう副業の発注は「飲みの場で知り合った社長さん筋」からくる場合も多いのだろうから、金銭的にもそうした人脈は彼女たちをエンパワーしている。

テレビ界の奇妙な風習は残念ながら無くならない

「若さも人気も無くなったら、残るのは『トーク力』と『ど根性』と『人脈』よ」

これはある先輩女性アナウンサーから最近聞いた言葉だ。局に残るにしても人脈は大切だが、ましてやフリーになれば女子アナにとって大切なものはまさに人脈なのだ。

フリーになっても画面に出演し続け、人気者であり続けられる女子アナはほんの一握りしかいない。年齢を重ねるほど、その競争は激しくなる。そんな彼女たちは、必然的にテレビ以外の仕事で生計を立てていくことになる。

キャビンアテンダント出身のマナー講師が驚くほどたくさんいるように、フリーアナウンサーとして「話し方セミナーなどの企業向け講座の講師」をしている人はたくさんいる。そんな時にも、局アナ時代に培った特別な人脈は大切な営業ツールになるのだ。局アナ時代に飲み会で懇意になった経営者たちに、局アナ時代に培われた「トーク力」と「ど根性」で営業をかけ、仕事をゲットしていくのだ。

そう考えると、女子アナにとって「上司の局内有力オッサンから声がかかる飲み会の席」は、一生モンの頼れる財産である「人脈」を作る場とも言えるのである。

女子アナにとって人脈は大切だ。そういえばバレンタインデーのたびにランク分けされた大量のチョコレートを局内にバラ撒いていた後輩女子アナもいたことを懐かしく思い出した。ま、それはどうでもいいが……。という訳で「女子アナがあたかもホステスのように飲みの席に同席させられる」というテレビ界の奇妙かつ時代遅れの風習は、残念ながらしばらくは無くなることはないのではないか、というのが私の結論だ。

関連記事
662人を日本に帰すため、ソ連兵の性的暴行に耐えた未婚女性15人の苦しみ
バカほど「それ、意味ありますか」と問う
ファーストクラスの女性は何が一番違うか
妻子を捨てて不倫に走った夫が「一転して改心」した納得の理由
まもなく沈没する自動車業界でトヨタが生き残るためのたった1つの方法