2025年1月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。社会部門の第5位は――。
社会部門では、中居正広氏やフジテレビの問題に関する記事が注目を集めました。『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の著者・霜田明寛さんが中居正広氏の芸能界引退を発表した背景と、フジテレビとメディア報道の食い違いに“違和感”を指摘した記事が1位に。30年来のジャニーズファンという霜田さんの直言に、読者から大きな反響がありました。2位は、元テレビ東京社員・桜美林大学教授の田淵俊彦さんが、当時のフジテレビ社長に現役社員が抱く本音を取材。テレビ業界の構造的な問題に迫ります。3位は元関西テレビ社員・神戸学院大学の鈴木洋仁准教授が、スポンサー離れが進むフジテレビの「これから」を読み解きます。1~5位のランキングは以下の通りです。
▼第1位 だから中居正広はひっそり消えるしかなかった…「フジテレビ会見と週刊誌報道の食い違い」に抱く強烈な違和感
▼第2位 CMが「ACジャパン」になっていく…中居正広氏を起用し続けたフジテレビ社長に現役社員が抱く“強烈な違和感”
▼第3位 もはや「フジテレビ解体」の道は避けられない…元テレビ局員が考える「スポンサー離れ」が進んだ先に起こること
▼第4位 江戸時代の放火犯は「火あぶり刑」だったが…吉原を全焼させた「14歳の遊女・姫菊」が受けた"刑罰"
▼第5位 「フジテレビの疑惑」は氷山の一角である…女子アナがいまだに「大物芸能人の接待」に利用される本当の理由
タレント・中居正広氏の女性トラブルをめぐり、フジテレビが揺れている。なぜ女性アナウンサーの会食接待に関するトラブルはなくならないのか。元テレビ朝日プロデューサー鎮目博道さんは「テレビ業界は依然として男社会だ。それに加えて日本特有の『女子アナ』という局員のあり方がこの問題の背景にある」という――。
生配信、生中継すら認めない"異例の社長会見"
タレントの中居正広氏の女性トラブルに、フジテレビの社員が関与したのではないかと『週刊文春』が報じた問題を受け、17日午後にフジテレビの港浩一社長が会見した。
記者クラブに加盟する新聞社やテレビ・ラジオ局のみに参加を認め、生中継や生配信も認めない、かなり制限のかかった記者会見だった。港社長は第三者の弁護士などを中心とする調査委員会の設置を表明し、その調査の結果を待ちたいとして、社員の関与など事案の詳細については突っ込んだ言及はなかったようだ。
16日発売の『週刊文春』では、中居氏の女性トラブルに関連し、フジテレビの女性アナウンサーが、幹部局員が設定した中居氏との会食に参加させられたことがあると告発する記事を掲載。毎日新聞によると、こうした点について記者から問われた港社長は「私はなかったと信じたいと思うが、それも含めて(今後、第三者の弁護士を中心として設置する)調査委員会の調査に委ねたい」などと答えたという。今回の社長会見では問題の真相は結局はっきりしなかったということだ。調査委員会による解明が待たれる。
しかし、一般論として言うと、実は女性アナウンサーが同席して、有名タレントを接待することはテレビ局にとって決して珍しいことではない。むしろ、テレビ局にとってみればそれは「常套手段」と言って差し支えないほどよくある話である。
その理由は簡単にいうと、非常に効率的でしかも負担が少なくて済むからだ。しかも通常「関係者の誰も損をしない」接待の方法なのだ。
テレビ業界に残る悪しき慣行
テレビ業界や芸能界には現在でも昭和的な古い慣習がいまだに多く残っている。番組プロデューサーや制作部門の責任者たちは、言ってみればメインの仕事がいまだに「大物タレントや事務所関係を接待して、その関係を良好に保つこと」と言って良いような状況だ。ということで、大物タレントが出演する番組では、常に「現場との懇親を深める食事会などの場を設ける」というのが常識のようになっている。