日本のリーダーは現場重視の意味をわかっていない

今回、東京電力の福島原子力発電所への対応を見ていると、こうした意味での連携を培うリーダーが不在であったと思われる。新聞報道によると、かなり早い時期から、米国、フランスの諸外国や外部組織の対応援助の申し出があったにもかかわらず、どうしてそれを活用できなかったのか。

また原子力安全・保安院などの政府機関との連携も怪しげだ。今にして思えば、なのだが、ここら辺の連携を早くから構築しておけば、もう少し早い解決へと進んだのではないか。

これに対して、これも新聞報道だが、個人レベルでは、かなりの程度“草の根”連携が進み、大きな資源が生まれ有効に活用されたと聞く。特に、今回の震災ではインターネット上の連携が目立つ。企業同士、企業と市民といったさまざまな連携だ。

例えば、関係者からの注目を集めているのは、グーグルの災害情報ページ「クライシスレスポンス」である。このページには外部からの情報提供を生かした複数のサービスが展開されている。

また、ネット上で節電や買いだめ抑制を呼びかける自然発生的な動きが相次いだのも今回の特徴である。アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」で敵を倒すための兵器に必要な電力を供給するため停電させたことに由来する「ヤシマ作戦」や、「どうぞどうぞ」と譲り合うギャグで知られるダチョウ倶楽部の上島竜兵さんから取ったという「ウエシマ作戦」など、個人レベルで幅広く連携していく姿勢が打ち出されている。

当然のことだが、組織というのはまず内部の統制をはかることが優先される。だが、危機的な状況では、組織間、企業間の連携が必要なのである。組織間の壁を乗り越えることができるのは、恐らくリーダーしかいないだろう。

通常強い壁に守られた組織内部の人はリーダーが承認していると思わない限り、自ら外との連携をとることはしない。そこから抜け出すには大きな勇気がいるからだ。“草の根”連携は強い組織の壁のなかで暮らしていない人々だからこそできたのだろう。