また、前記2つの条件とは別に、自動運転車の時代になれば自動的にサブスクリプションサービスを利用しようと思うに違いない。2つの条件は自動運転の時代になるまで、いかにサービスを向上させることができるかという会社の心意気と覚悟だ。
サービス業はつねに顧客の立場に立って考えないといけない。そして、心意気と覚悟で商売に臨む。
トヨタが完全なモビリティサービスの会社になるとしたら、それはコネクティッド、サブスクリプション、空飛ぶモビリティ、そしてトヨタが作る町「ウーブン・シティ」の4つがスタートして、それらが軌道に乗った時だろう。つまり、2025年からではないか。
生き残りをかけた仕事になる
トヨタがモビリティサービスの会社となるための商品が、空飛ぶモビリティとウーブン・シティだ。
自動車業界の専門記者のなかには、この2つについて、「実験的な意味合いで商売にならないのではないか」と考えている人も少なくない。しかし、この2つをビジネスにするかしないかが、トヨタが生き残ることができるかどうかに直結する。
同社を取材し始めて十数年が経つけれど、経営幹部は一貫してわたしに言う。
「野地さん、上場企業で次につぶれるのはトヨタだ」