ともあれ2人が結婚すれば、世界的な熱愛として今でも語り草になっている、イギリスのエドワード8世がアメリカ人女性シンプソン夫人と恋に落ち、彼女と結婚するために退位までした「王冠を賭けた恋」に匹敵するのではないかとさえ、私は思っている。

借金の一部がついに時効を迎える

国際基督教大学(ICU)で学んでいた眞子さんは、同級生の小室圭と知り合い、話を交わすうちに友情が芽生え、それが愛情へと花開いていった。

結婚を誓い合った2人は、秋篠宮と紀子さんに会い、結婚を認めてもらう。小室圭に会った紀子さんは当初、その人柄を褒め、娘の結婚相手にふさわしいと考えたと、これまで何度も報じられてきた。

2017年9月3日に2人して婚約内定会見を開き、楚々とした眞子さんと、物おじせずに自分の思いを語る圭に、国民は惜しみない祝福を送ったのである。

だがそれからわずか3カ月後に、2人の前途は突然暗転してしまう。

圭の母親と一時婚約していたという男性が、週刊女性に「400万円ばかりを貸してあるが、返してくれない」と話したのである。

男性側が、最初に圭の大学への進学費用として45万3000円を母親の口座に振り込んだという件が、今年の11月1日で10年が経ち、時効を迎える。

その他、授業料、留学費用を振り込んだと男性側は主張するが、当時は圭の母親と結婚を前提に付き合っている時期であった。

その後、2人は婚約を解消し、小室側にいわせると、この問題はお互いが了解済みで、解決したものだと思っていたという。

少なくともそれから4、5年が経ち、圭が皇室の女性と婚約すると知って、週刊誌にタレ込むというのは“底意”が見え見えではないのか。

私は当時、この男性のやり方を「品性が下劣ではないか」と、プレジデントオンラインの記事「だれが眞子さまと圭さんの破談を望むのか」(2018年2月28日)で批判した。だが、この情報を後追いして、小室家のプライバシーを毎週のように暴きたてたのが文春と新潮であった。

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報道の在り方はきっちりと「検証」されるべきだ

小室家側にまったく非がなかったとはいわない。だが、読んだ人間が、あたかも結婚すると男性を騙してカネを巻き上げた“結婚詐欺”と勘違いするような、週刊誌やワイドショーの報道の在り方は、この問題が完全に決着したら、きっちりと「検証」されるべきだと考える。

昼夜を分かたず小室圭と母親を追いかけまわし、張り込みまでするに至っては、尋常ではない。

しかし、メディアが煽り、小室の母親を稀代の悪女に仕立てるような報道に、不思議なことに、「いい加減にしろ」「男性側の情報だけでバッシングするのはおかしい」という当たり前の声が、大きくはならなかった。