自分の役職以上の立場で考える癖をつけよ!
【電機】人に仕えている間は、上司の指示だけで動けばいいから簡単だ。徐々にステージが上がり、たとえば部長になると重要な判断をしなければならなくなる。若いときから、自分が課長あるいは部長だったらどうするのかということを主体的に考える癖をつけておくことが大事だ。逆に伸びない人は言われたことを無難にこなそうとする。何事もそつなく仕事をこなし、一定の評価を得て課長になる。上司の部長にしてみれば、そこそこやるだろうと思っていたが、全然だめだなと落胆するケースは実際に多い(笑)。
【機械】当然、上司の考えと合うときと合わないときがあるけど、合わないときでも、まあいいかと常に合わせてしまう癖をつけてしまうと、自分の意見を言うとか判断するということができなくなってしまう。もちろん議論を戦わすときに無防備でやっても、自分より経験豊富な優秀な先輩には勝てない。そのためには自分なりに調査・研究・分析するという努力をしたうえで信念を持って意見をどんどん言うことが大事だ。それでも議論で負けるケースが多いと思うけど、その結果、自分とは違う結論が下されたとしても、そこから先は組織の判断であり、気持ちを切り替えて次に進むべきだろう。
【流通】会議の場では黙っているよりは間違ってもいいから何か言う癖をつけることだね。何か言うことで、議論が進展することもあれば、それは違うということで判断なり、考えがまとまることもある。賢い意見を言おうと考えないことだ。格好をつけても賢くないことは上司はお見通しなんだから(笑)。そんなことで勝負しても太刀打ちできないよ。
【IT】会議の場でも上司部下に関係なく、どんどん議論や提案を積極的に投げかけてくるタイプは好きだね。でも話をしてもわかりましたと言ってすぐ黙ってしまう部下が多い。それでは本当に理解しているのかわからない。自己主張が強いタイプも困るけど、確認するための質問ぐらいしてほしい。どんな偉い人でも全部知っているわけではないし、欠点もある。議論を通じて皆で埋めていく。ある情報を出し切って共有化していくほうが、決める側も従う側も理解しやすいね。
【機械】でも実際に、そんなきれいごとを言っている会議はほとんどないよ(笑)。
【電機】話はちょっとそれるけど最近の若い人に苦言を呈したいことがある。よく自分の専門性をいかに高め、それでどう勝負するか、なんていう言い方をするが、そんなに世の中簡単ではない。たかだか5年間会社にいて自分の価値が高まったという程度はたいしたレベルじゃない。その程度では優秀な人間ならすぐに追いつくレベルで、本当の価値は10年、20年かけて身につけるものなんだ。専門性というのは経験を重ね、壁にぶち当たり、修羅場をくぐり抜けることで成長し、習得していくものだ。
【流通】課長、部長と出世すればするほど唯我独尊タイプになる人がいるが、これはだめだな。本当は上に行けば行くほど、部下の言うことをちゃんと聞くという姿勢を持たないといけない。偉くなるとうっかりそれを忘れてしまうタイプが多い。部下は言うことを聞くし、自分の意見が通りやすくなることで慢心する。出世するほど立場をわきまえて、より謙虚に振る舞うことだ。それを忘れた責任者は裸の王様になり、結局誰もサポートしてくれなくなる。結果的にそれ以上出世できなく、部長どまりという例も結構ある。