最難関大学の入試を突破する人は何が違うのか

中野信子、山口真由『「超」勉強力』(プレジデント社)

第2位は『「超」勉強力』でした。東大卒の脳科学者である中野信子氏と、東大を主席で卒業して財務省に勤務し、その後ニューヨーク州弁護士資格を取得した山口真由氏のお二人が、実際にやっている勉強メソッドを一挙公開した一冊です。中野氏は最短距離で学習するスタイル、山口氏はコツコツ努力して学習するスタイルと、対照的なのがおもしろいところ。お二人の勉強スタイルを見て、どちらが自分に合った勉強法なのか、考えてみるのもよいでしょう。

また、本書はただの勉強法の紹介にとどまりません。最難関大学の入試を突破する上で必要なメンタルについても、しっかり記されています。成功は、自分の強さと弱さにしっかり向き合った末にやってくるものなのです。

なにかしらの試験勉強をしている人はもちろんですが、「いまは勉強する暇がない」と感じている方も、本書は人生における「学び」を見つめ直すよいきっかけとなってくれます。何かを学ぼうとすることは、いつだって本当に大切なことです。もっと勉強がしたくなる、そんな一冊です。

「AIと共存する能力」が欠かせない時代になる

渡邉正裕『10年後に食える仕事 食えない仕事』(東洋経済新報社)

第3位には、『10年後に食える仕事 食えない仕事』がランクインしました。「AIとこれからの働き方」をテーマにした書籍はいくつもありますが、本書の特徴は実際に現場で働いている方々の声を聞きながら、「人間にしかできない仕事」を分析している点にあります。

AIやロボットの参入により、衰退していく仕事は少なくありません。その一方で、AIと人間の相乗効果が見込まれる分野が出現したり、これまで見たことのない仕事が出てきたりするはずです。先行きが不透明な今の世の中で、変化を先取りして環境に適応していくためにはどうすればいいのでしょうか。

本書は人間の仕事を5つのタイプに分け、そのなかで生き残るタイプがどういったものなのかを解説します。中でもキーワードとなるのが「デジタル・ケンタウロス」。AIとうまく共存できることが、今後を生き抜く上で欠かせない能力となるといいます。

技術の進歩を学ぶだけでなく、人間の強みについても理解する。「10年後に食える仕事」を手に入れられるかどうかは、その一点にかかっています。とりわけ今後のキャリアについて考えたい方におすすめです。