感染者における喫煙者の割合が低い

しかし、コロナに関してはWHOのいうことがあてにならないのはご存じの通りだ。世界各国で、感染者における喫煙者の割合が一般人口の習慣的喫煙者の割合(喫煙率)よりもかなり低いという発表が相次いでいる。例えば、喫煙者率13.8%の米国で感染者7172人を対象に実施された調査では、喫煙者数は96人(1.3%)に留まっている。明らかに少ない。別の研究チームによる4103人を対象とした調査でも、212人(5.1%)である。こちらも少ない。

米国の医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル」に発表された論文には、中国での感染者における喫煙者の割合が掲載されていた。中国では感染者1085人中の喫煙者の割合が12.6%であり、中国の喫煙者率27.7%の約半分という結果だった。比較対象の一般人口の喫煙者率を調査したのがWHOというのが皮肉ではある。このほか、フランス、ドイツ、韓国でも喫煙者率よりも、感染者中の喫煙者の割合は低いという調査結果が報告されている。

これらの調査を行った国の中でも、フランスでは、新型コロナウイルス感染症の予防や治療にニコチンが利用できるかについて、臨床試験が始まることになったという。

パリのピティエ・サルペトリエール病院の調査では、入院患者343人に対して、喫煙者は15人と4.4%だった。フランス全体の喫煙者率32.9%に対して圧倒的に少なく、研究チームは、この結果は統計的に有意であるとして、喫煙者は感染から守られると結論づけた。

ウイルスはヒトの細胞の表面にある受容体と結合して細胞内に侵入して増殖し、さまざまな症状を引き起こすものだが、同病院の研究チームでは、ニコチンが受容体に付着して、ウイルスが細胞に侵入拡散するのを阻止する可能性があると提唱しているという。ただ、具体的な効果などは今後の研究にまつ必要があり、喫煙者がタバコを吸い続ける分には問題ないが、吸わない人がコロナ予防でタバコを無理に吸ったりニコチンパッチなどを使うのはやめたほうがいい。

タバコによって感染がここまで抑えられるのであれば、吸ったほうが明らかに良いと結論付けてもいい印象を受けた。禁煙活動家は都合のいいときは、ワーワー騒ぎ、都合が悪くなると途端に黙る。それでは信用されない。禁煙運動に励んでいる人は、自分たちにとって都合の悪い話もきちんと受け止めることだ。ましてや、フランスの医療論文で、明確に、「喫煙者はコロナ感染から守られる」と結論付けられているのだ。喫煙者の私が言っているのではない。権威ある医学論文の結論なのだ。つまり、「タバコは百害あって一利なし」は、完全にデマなのだから撤回すべし。ワクチンのないコロナの感染を守るという「一利」は、あることが判明したのだ。いずれにしろコロナが終わるまで禁煙活動は一旦休止しないと、禁煙活動のせいで、コロナ患者を増やす(=死者を増やす)可能性すらあるということではないのだろうか。

コロナのパンデミックが起きる前から、世界中でタバコは悪者扱いだった。「タバコ=肺がん」というイメージづくりが定着し、タバコを吸うことは体によくないとWHOも各国政府も宣伝してきた。世界的にタバコの販売をやめさせようという医師までいる。愛煙家はそうした健康被害の可能性を理解したうえで、どんなに重税を課せられても、自分で納得して吸い続けている。「副流煙が怖い」「ニオイが嫌い」といわれ続け、コロナ禍以前から、喫煙所以外ではソーシャルディスタンスに気を遣ってきたのだ。他人に迷惑をかけないのなら、吸ったっていいじゃないか。