個別に見ると旧帝大勢が強い。断トツは合格者のほぼ3分の1を占めた東大で、京大との差を大きく広げた。以下、京大、早大、東北大、慶大のトップ5は2010年も不動。過去3年の推移を見ると、上位では東大が続伸し、早大、北大、東工大などは続落傾向にある。下位ながら倍増の上智大が今後面白い存在になりそうだ。
地方公務員になると顔ぶれは一変し、有名私大や教員養成に特化した国立教育大が上位を占める。毎年合格者数が大きく変動するが、2010年は停滞する国立大勢を尻目に中堅私大の健闘が目立つ。トップに立ったのは日本大学。学生総数7万人の利を生かし、2009年から約100人、2008年から250人上積みした。同様に昨年から220人近く増えた早大が3位。文教大、立命館大も順位を1つ上げた。
「目指す一流企業の門戸は狭まるばかり、国に帰って教員に」という学生心理が透けて見えるようだ。
連日、凶悪な犯罪報道が繰り返される中、深刻な治安情勢に対応しようと警察庁は採用枠を増やした。00年度に約5700人だった地方警察官の年間採用数は、08年度には約2倍の約1万1500人に増加した。しかし、都道府県警の一次試験受験者は03年の約19万2000人をピークに減り、08年度は約11万人まで減少した。全国の警察署の中には年齢制限や身長・体重などの基準を緩和する動きもあり、ここ数年で門戸は確実に広がっている。そういう意味でチャンスといえよう。
警察官試験に強い大学のトップ3は日本大、東海大、国士舘大。日本大の首位はゆるぎない。消防官試験の顔ぶれは警察官と大きく変わらないが、ここでは国士舘がトップに君臨。日本体育大、神奈川大、専修大、流通経済大などが新顔として登場した。