スキャンダルは「公益性」があるかどうか
私が編集長の時、「報じるだけの公益性があるか」を顧問の弁護士たちとよく議論したものだった。
中でも難しいのは不倫などのスキャンダル報道だった。政治家や大企業の社長、有名芸能人なら迷うことはない。どこまで細部を書くのかを考えればいい。だが、大新聞とはいえ、政治部次長クラスの不倫を、それも相手の夫が盗み撮りした寝屋の写真まで掲載する必要があったのだろうか。
今一つのケースでも、一記者の性癖を書くのに、バナナのことまで入れる必要があったのだろうか。 愛人だった女性が、テレビに出るようになって彼のSEXが変わってしまったと語っている。
「何が彼を変えてしまったんでしょうか。私にはわかりません。私が拒まなかったから○○さんも何か勘違いされたのかもしれません。でも私は、本当に耐えられなかったし、オモチャ扱いされていると思うだけで悲しかった」
やはり、人間として、一人の女として扱われなかったことが、告白の動機になっているのだ。
現在不倫している男性諸君へ
私にはもはや関係のない世界のことだが、不倫しようと思っている、または現在進行中の不倫している男性諸君、くれぐれもこれだけは気をつけたほうがいい。
不倫が発覚すればどんな目に遭うか、これまでの芸能人のスキャンダルを見ても分かるはずだが、もしそれでも構わないというなら、相手を、妻と同じように大事にすることだ。それと、妻が妊娠中や子育てで苦労している時は、絶対、不倫してはいけない。それは、年下の女優と不倫していた東出昌大を、妻の杏が絶対許さないのを見ても分かるだろう。
宮崎謙介という衆院議員(当時)が不倫していたのも、妻の金子恵美衆院議員(当時)が出産のために入院中だった。妻は激怒し、選挙民からも批判され、議員辞職に追い込まれた。
不倫の要諦は、相手の女性も妻も怒らせてはいけない。それを忘れると世間は絶対に許してはくれない。(文中敬称略)