文春が渡部を直撃すると、「ちょっと車停めてきていいですか」と力なく呟き、その場から逃げてしまったという。その数時間後、関係があった女性たちに渡部から、「交際内容」を確認する連絡が入ったそうだ。
そしてB子のところには、「奥さんが隣にいるんだけど代わるね」と告げ、妻の希が、「あなた酷いですね。今の会話、録音していますから。嘘をついたら大変ですよ。彼と最後に会ったのはいつ?」と詰問してきたという。
私たちが結婚したのは17年だから、関係を持ったのはその前か後かを執拗に問い質し、告訴するようなこともほのめかしたそうだ。
彼女の怒りは分からぬでもないが、相手の女性を商売女のごとく扱って“変態”SEXを強要した亭主のほうに非があると思うのだが。
さすがに渡部も、これは大変なことになったと慌てたのだろう。文春発売前に、所属事務所を通じて、「ご指摘の女性と関係を持ってしまったことは私の不徳の致すところ」と事実を認め、彼が出ていたすべての番組から降りることを発表したのである。
凄まじかった山崎拓元自民党幹事長
これまでも文春を含めて、タレントやお笑い芸人たちの不倫話はいくらもあった。中には、ちょっと可哀想だなと、書かれた人間に同情するような内容のものもあった。
だが今回は違う。渡部建という人間は完全アウトである。彼と関わった女性たちには気の毒ないい方になるが、渡部はあなたたちを女性としてではなく、SEXの道具としか見ていなかった。そこに愛情の欠片もない。これを不倫とはいわない。
渡部建という芸人は終わった。番組への復帰どころか離婚も必至だと、私は思う。希が可哀想だが……。
ここまで書いてきて思わずため息が出た。
これまでもおびただしい数の不倫報道があった。だが、かつて文春が報じた“エロ拓”こと山崎拓元自民党幹事長の「性獣」のように凄まじいSEXの修羅を超えるものは出ないだろうと思っていた。
彼は若い愛人をつくり、日ごと性技の限りを尽くすのだが、ついにはその愛人に、お前の母親と寝たいとまでいい出すのだ。ついに愛想も小想も尽き果てた彼女が、全てを文春に告白する。だが、小泉純一郎首相の盟友で幹事長という絶対権力者である山崎は、事実無根だと逆に告訴をすると脅してくるのだ。
気骨のある当時の文春編集長は、彼女と一緒に外国特派員協会で記者会見を開き、彼女は山崎とのSEXを赤裸々に語り、ついに、山崎は落選し、副総裁も辞任するのである。
私も件の彼女に、山崎の地元の福岡県に行って話を聞いたことがあった。楚々とした美人であった。だが彼女の口から語られる山崎のおぞましい性癖には、聞いているこちらが下を向いたぐらいだった。