LED照明で、勉強中と団らんタイムの明かりを変える

リビング学習は、子供の「心の安定」には適しているが、学習環境としては必ずしも適しているわけではない。ダイニングテーブルは本来食事をするための机であり、学習机ではない。そのため、机と椅子の高さが合わなくて、姿勢が悪くなることもある。高さが合わない場合は、椅子の下に何かを敷き、足がぶらぶらしてしまうようなら、足台を用意しておく。

また、リビングの照明は、大人がリラックスできるように落ち着いた明るさの照明にすることが多い。それでは勉強するのには暗すぎて、眠くなってしまうだろう。勉強に適した照明は昼光色だ。それも、一部だけを照らすスタンドより、部屋全体を照らすもののほうがより自然でいい。そこでおすすめしたいのがLED照明だ。LED照明であれば、ボタン一つで勉強中は昼光色、食事の時は昼白色、家族の団らんタイムは電球色といったように明るさを調整できる。家族みんながストレスを抱えない空間であることが大事だ。

ときどき窓を開けて、風を感じるのも大切

夏の暑い日は、一日中エアコンをかけがちだが、ときどき窓を開けて風を通してほしい。自然の風を感じることも大切だからだ。人間は変化のない空間にずっといると、身体感覚が育ちにくい。暑かったり、寒かったりといった肌感覚がないと身体感覚が鈍り、いろいろなことに興味を示さなくなる。小学生の子供の学びには好奇心が必要だ。快適すぎるリビングは五感を鈍らせてしまうことを知っておいてほしい。

家庭教師として多くの家庭を訪問して思うのは、中学受験家庭はリビングが子供の教材であふれていることだ。塾によっては、毎週冊子が配られるため、どんどん教材がたまっていく。親は心配で受験が終わるまでとっておきたがるが、すべてをとっておく必要はない。1年分は段ボールにまとめて保管し、一度も見返すことがなければ捨ててしまっていいと思う。

受験が終わったら、もう中学生なのだからと自分の部屋で勉強をさせようとする親は多いが、中学生になっても本人がリビングで勉強をしたければ続けていい。