子供の勉強はどこでさせるのがいいのか。プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康さんは「小学生以下の学習はリビングでするのがいい。ただしいくつかのコツがある」という――。
リビング ルームで家族
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小学生のうちは、まだ一人で勉強できない

「あの子、今日はずっと集中して勉強しているわね」

普段なら、テレビやお菓子の誘惑に負けて、ちょくちょくリビングに顔を出すわが子が、今日は自分の部屋にこもってずっと勉強している。

「6年生になったら、さすがに受験生としての自覚が芽生えるものね!」

親としてはこんなにうれしいことはない。だが、本当に勉強をしているのかはわからない。勉強をしているふりをして、親に隠れてこっそりマンガを読んでいたり、ゲームをしていたりすることがある。特に受験が近づくほど、心のバランスをとるために楽しい方へと気持ちが動くものだ。

小学生の子供は閉めきった部屋では勉強できない、と思っておいたほうがいい。なぜなら、子供は頑張っていると認めて、褒めてもらいたいと思っているからだ。小学生とはいえ、高学年になると、親に対してくちごたえをするなど反抗的な態度をとるようになる。しかし、まだ11歳、12歳の子供、一人で勉強ができるほど精神年齢は高くない。

褒め言葉を「20~30個」用意しておく

子供は人目を気にしながら自分を律して勉強する。だから、親の目は不可欠だ。そういうと、子供の横に張りついて、終始チェックをしてしまう親がいる。だが、チェックする視点で見ると、どうしてもできていないところに目がいってしまう。すると、ついあれこれ言いたくなってしまうのが親というもの。

ここでいう「見る」は、褒めるためであって、チェックすることではない。子供のいいところを見つけ、「頑張っているね」「今日はちゃんと式が書けているね」「計算のスピードがずいぶん上がったね」と、気づいたことを子供に伝えてあげてほしい。そんなに褒めどころがないのだけれど……と言いたい親もいるだろう。確かに毎日見ていると、これといった褒めポイントがないこともある。だが、中学受験をしない子供たちと比べたら、この時間に机に向かって勉強していること自体が「頑張っている」と言える。

なかなか褒め言葉が浮かばないのなら、20~30個くらい褒め言葉のレパートリーを用意しておくといい。大事なのは、「毎日あなたが頑張っていることを知っているよ」というメッセージを伝えてあげることだ。