5月から感染者が増え始めた南米の不気味さ

3つ目が「海外リスク」です。日本で再流行の封じ込めに成功しても、コロナは終わりません。世界は広く、そしてつながっています。アメリカは今のままの感染対策であれば、夏になって感染者数が自然減少しながらもそれがゼロに近づくことはなく、2020年の秋まではこの状況が続くことになるでしょう。

不気味なのが南米やアフリカ南部です。

グラフが示すように、ブラジル、ペルー、チリ、南アフリカといった南半球では日本よりも遅れて5月に入ってから急速な感染者増を見せています。南米の5月といえば日本の11月の気候ですからこのグラフを見る限りは秋に入ったあたりで北半球は再警戒に入る必要があるとわかります。

一方で同じ南半球でも不可解なのがオーストラリアとニュージーランドです。グラフにはオーストラリアの感染者推移を掲示してありますが、なぜか冬に入っても感染者が増える様子がない。

こういった状況をこの夏、私たちは継続して観察することが重要です。コロナがパンデミックとして広がった後で振り返って見ると、どうやら欧米に被害が集中する疫病の様相を示しています。最初に感染が広まったアジア・オセアニアでは感染者は増えているのですが、増加のペースは欧米に比べれば鈍く、死者数も少ない。

中でもアジアとオセアニアの状況が似ているのは人種の問題ではなく、地域に共通する何らかの集団免疫が成立していた可能性があるのです。いわゆる新型コロナ「風土病説」です。

年末に再流行で“自粛”は本当に必要なのか

海外リスクの話としてまとめると、日本が緊急事態宣言を解除した後でも、世界各国がさまざまな形でコロナと戦い続けながら世界全体で被害は継続します。そして秋になればそのコロナは再び日本に入ってくるでしょう。グローバル社会の時代に鎖国を完全に実行するのは無理です。

そのため、2020年秋から冬にかけての再流行の際に、今回私たちが実行したような徹底的な自粛が本当に必要なのかを議論する必要があります。仮に、コロナが欧米諸国の人々が免疫を持たない、アジアを発生源とした風土病だと判明したとする。その場合、ここまでの規模の自粛を繰り返すことは感染を防げても経済を殺してしまうという新しい議論が起こるはずです。

もちろんこの数カ月間、私たちが戦ってきた新型コロナは未知の病原体でしたから、これまでの戦いや自粛は仕方がなかった。しかしこの冬は戦い方を変えないと新型コロナのリスクから私たちの社会を守ることができなくなるかもしれない。

緊急事態宣言を解除した後の世界では新しい3つのリスクに目を見張って、新しい現実を考えながら、新しい生活行動の在り方をつくっていくべきなのです。

新型コロナが日本経済に与える影響については、私のnoteでも無料で情報発信しています。経済の先行きについて不安な方も多いと思います。経済評論家としてみなさまの参考になる情報を発信していきますので、あわせてご覧ください。

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