湘南や吉祥寺、巣鴨などで混雑が発生している

前回記事で、私はゴールデンウイーク(GW)中の人の移動による新型コロナ再流行を危惧していましたが、その最悪の事態は回避できたようです。5月25日、ようやく全国で緊急事態宣言が解除されました。

しかし、これですぐに普通の生活に戻れるわけではありません。日本では新型コロナの勢力は一旦弱まりましたが、世界全体で見れば当面の間、収束は難しいはずです。そして日本でも今年の秋には再流行の恐れがあります。引き続き警戒が必要です。

これから先、再び外出できるようになった生活の中で、一体何が起きるのでしょうか。今回は私たちが気を付けるべき「3つのリスク」について指摘したいと思います。

緊急事態宣言解除から一夜明け、東京・渋谷のスクランブル交差点を渡る人たち=2020年5月26日午前
写真=時事通信フォト
緊急事態宣言解除から一夜明け、東京・渋谷のスクランブル交差点を渡る人たち=2020年5月26日午前

まず、1つ目として気になるのが緊急事態宣言解除後の気の緩みから起こる「クラスター発生リスク」です。解除直前の5月23日からの週末は、湘南や吉祥寺、巣鴨など首都圏のさまざまな場所で混雑が発生しました。いよいよ自粛から解放されると、いち早く街に人出が戻ってきた形です。

思い起こせば日本での感染拡大は3月14日からの週末に起きた気の緩みから始まったと言われています。2月末に首相が「これからの2週間が重要な分かれ目になる」と力説して国民も2週間自粛したところ、ちょうど3月14日前のあたりで感染者が減ってきた。それで「2週間我慢したから」とその週末に人出が増えた結果、10日後の3月25日に日本の爆発的な感染拡大が起きたわけです。

それと同じ危惧で言えば、6月10日前後に自粛解除前後の緩みがきっかけとなったクラスターの再発生が起きて、また自粛再開とならないのかが気になるところです。