ユニクロの大株主は誰か
ファーストリテイリングを支える強力な存在がいます。同社の大株主は誰か。それは日銀です。日銀は間接的に約20%保有しています。日銀は今年3月に、ETFの買い入れ上限額を年間6兆円から12兆円に拡大しました。この買い入れ額拡大で1回あたり1200億円前後のETF買いが株式市場に流入しており、相場の下支え役を果たしています。
日銀の買い支えもあり、ファーストリテイリングの株価は4月以降V字回復していると言えます。半導体製造装置のアドバンテスト、電子部品の太陽誘電、5Gの通信工事のコムシスHDなども、間接的な日銀の保有率が20%を超えている企業で、これらの株価もV字回復しています。日銀はETF買いを通じて、日本株に対する国内最大の買い手となっており、GPIFや日銀が本気で買い支えしている銘柄は当然、崩れにくく、海外の機関投資家からも魅力的な企業であることは、想像がつくでしょう。
日経平均株価の上昇も寄与
また、今回のファーストリテイリングの決算の数値は想定の範囲内ではあったこと、いまが最悪期である見通しが確認できたことで、マーケットに“買い”の安心感を与えています。またファーストリテイリングは日経平均株価への寄与度が高く、日経平均自体が上昇基調に入っていることも同社のV字回復の要因の一つです。
"情報製造小売業"として世界No.1のアパレル小売企業となることを中期ビジョンに掲げているファーストリテイリングは、コロナ禍でも全くブレず、むしろ、コロナ以前から「もっと先の未来を見て企業運営している」ことが印象付けられた決算発表となりました。
経済が少しずつ動き出すなかで、今後はインバウンド需要などがどのタイミングで戻ってくるか、ファーストリテイリングはどの程度、Eコマースを普及させられるのか、日本を代表する企業の動向は引き続き注目です。