“ガイジン”という言葉で一緒にしないで!
さて、私たちのほうはどうか。欧米人といえば金髪で青い瞳で、アメリカ人もドイツ人もフランス人も同じだと思っていないだろうか。しかし、実際に欧米人をよく見ると特徴には違いがある。上に挙げた、ゲルマン系、ラテン系、スラヴ系という代表的な民族の違いでも実感いただけるだろう(※民族とは、そもそも文化と言語を共有する集団で、身体的特徴による分類ではなく、あくまでも傾向にすぎない)。
たとえば金髪で青い瞳は、ゲルマン系に多い顔立ちである。ゲルマン系は現在のドイツやデンマークに起源を持つ。細く高い鼻の形をした人が多く、日本人が想像するステレオタイプの欧米人に近い。しかし欧米人はさまざまな民族から構成されている。イタリア半島にルーツを持つラテン系は、髪や瞳の色は黒い人が多い。ロシアやウクライナなど東欧諸国に多く分布するスラヴ系は、グレーや黒い瞳を持つ人が多い。
世界にはたくさんの人々がおり、ひとくくりに語ることはできない。私たちがよく分類として使う、アジア人、欧米人、アラブ人の中にも、細部をよく見ると明確な違いがある。集団の中にある違いや共通項を探し、分類自体が正しいのかを調べていくと、より世界を深く理解できるだろう。