子育て世代の「柔軟な働き方」を実現

子育て世帯の場合、在宅勤務の影響はどうだったのか。自由回答では以下のような声が寄せられている。

「夫婦で家にいる時間が増え、子育てについて協力体制ができた」(女性30~34歳・運輸)
「以前は仕事を優先して家事を週末にため込んでいたので、在宅勤務により隙間時間に家事をこなして生活の質が上がった。子供の教育もタイムリーにサポートできているので、仕事か生活かと二択で考えなくて済むようになった」(女性40歳以上・製造)
「家族と一緒に食事を取ることができるようになり、子供の寝かしつけが終わった後、また仕事に戻るという、これまではできなかった柔軟な働き方ができるようになった」(男性35~39歳・製造)

オンラインでコミュニケーションを促進させる

大多数の人が在宅勤務を指示しているが、今後、定着していくのだろうか。

アンケート結果を見ると、8割以上が「制度に課題・支障がある」と回答している(Q7)。これまで見てきた通り、在宅勤務の導入に立ちはだかる「インフラ」「ハンコ」「意識」という3つの壁についての回答が多かった(Q7‐1、Q7‐1‐1)。

その課題に対して、すでにリモート会議のノウハウを学ぶ、業務報告やコミュニケーションの仕方を変えるなどの対応をはじめている人もいる(Q8)。

自由回答には「営業職であるが、書類は全てクラウド上で管理」(金融保険 男性25~29歳)、「毎日オンラインで朝礼と夕礼を行い、チームメンバー間でコミュニケーションを取ることで、疎外感がなくなった」(製造 女性40歳以上)、「ZOOM飲み会をやってみた。仕事から離れるが、関係性の円滑化には使えそうな気がする」(男性40歳以上・情報通信)などさまざまな工夫が見られた。

課題を残す一方で、9割以上が在宅勤務により仕事や生活に変化を感じている(Q9)。上位2つは「職場でしかできない業務の中に、自宅でもできることがあると気づいた」「配偶者・家族とのコミュニケーションが増えた」というポジティブな変化であるものの、「困ったときに気軽に相談しにくくなった」「孤立感を感じるようになった」などのネガティブ要素を回答する人も多かった(Q9‐1)。