「4月頭までは自由に出社できていました」
たとえば、志村けんさんが新型コロナウイルス陽性と判明したのが3月23日。25日同局放送の「あいつ今何してる?」では「この収録は3月10日に行われたものです」というテロップが表示された。それから4日後の29日、志村さんは帰らぬ人となった。
だが、この期間も局内では「通常出勤しているスタッフは少なくなかった」と語るのは関連会社に勤務する30代男性だ。
「3月に入り、テレワーク勤務が可能という連絡は入ったものの、通常通りに収録は行われており、私が所属するデスクワークの部署も6割以上は出社していました。少なくとも、関連会社を含め4月頭までは自由に出社できていました。出社しても咎められることもなかったです」
同局では、スタジオ収録中での“3密”(密閉、密集、密接)が避けられないのは当然として、内勤のスタッフでも濃厚接触する可能性が高い環境に置かれていたという。
「集団感染一歩手前の杜撰な環境でした」
「毛利庭園奥のテレビ朝日本社と六本木けやき坂通りに面しているEX TOWERを行き来しているスタッフが少なくなく、勤務中は六本木エリア内を歩くスタッフが目立っていました。3月中は“出勤するか否かは自由”という雰囲気だったので、私も3月は、週4日は通勤していました。本社6階の社食も通常営業していましたね」(前出、30代男性)
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、大手のカフェチェーン店では店内の席の間隔を空けるなどの対策が見られているが、そういった措置は同局ではギリギリまで取られていなかったという。
「2メートル空けるなどの措置も取られていませんでした。テレビ局は事務所関係者や制作会社など、不特定多数が出入りするのですが、社食もエレベーターもかなり混み合った状態。当時は3月末だったからよいものの、何もしなければ集団感染一歩手前の杜撰な環境だったと言えます」(同)