テレ東のようにもっと早めに対策を打っていれば…
実は3月時点で六本木にはコロナの影が近づいていた。
別のテレビ朝日勤務の30代男性が語る。
「3月後半ごろ、六本木ヒルズ内の飲食店で若いスタッフがコロナウイルスに感染したことが発覚し、全社でこの期間内にこの店舗を訪れた人は会社に報告してください』というアナウンスがなされました。その時点で感染経路にテレビ朝日の関係者がいた可能性も否定できません。テレビ東京のようにもっと早めに対策を打っていれば、ここまで事態は大きくならなかったんじゃないかな」
現在、同局は多くの番組の収録を原則ストップしている状態。同局の深夜バラエティー番組を担当するディレクターは、窮地に陥っている惨状を次のように語ってくれた。
「3月後半から会議はリモートになり、富川アナの感染が発覚して数日後にようやく局内への出社は控えるよう発表されました。出社禁止はギリギリまで言われなかった。現在はすべての作業を自宅で行っています。しかし業務にはどうしても限界がある。映像をつなげるなど、テロップを入れる編集作業も自宅作業となったので、パソコンが重く、ネットもつながりにくい。生産性は3分の1以下に下がっています。ほとんどのバラエティ番組が5月放送分までは録り溜めしていますが、それ以降は白紙。本当の地獄はここからでしょう」
現在、生放送である「報ステ」はスタッフを入れ替えて放送を続けているものの、スタジオ収録では濃厚接触の環境が否定できない以上、さらなる感染拡大も懸念される。新型コロナウイルスの状況を連日報じ国民に警鐘を鳴らし続けた報ステ。警鐘を鳴らし続けていたところ、自分自身が感染してしまったニュースキャスター。
テレビ朝日は4月12日に富川アナの感染について発表した際、「当社では、既に社内で当該社員と接触したスタッフの自宅待機や消毒等必要な措置を行いました。引き続き保健所など関係各所と連携し社内および社外への感染拡大防止と番組出演者、業務にあたる社員・スタッフの安全確保に努めて参ります」などとコメントした。
過去のテレビ史においても前代未聞、まさに富川アナが令和の“激レアさん”になってしまったかたちだろう。一刻も早い収束が求められる「絶対に負けられない戦い」が今日も繰り広げられている。