脳がクリエイティブになる方法

いいと思ったらすぐに取りかかれ。
考えるな、動け。
急いては事を仕損じる。
いったん寝かしたほうがいいアイデアが出る。

直感と熟考に関しては、両極端なアドバイスが当たり前のように流布されていますが、冒頭で述べたように、どちらか一方のやり方が正解なのではありません。

みなさんも経験があると思いますが、シャワーを浴びているとき、外を散歩しているときに突然、いいアイデアがひらめくことがあります。それは直感のようであって、じつは仕事や雑務から離れ、無心になっているあいだ、無意識のうちに熟考した結果です。

これは脳科学で「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる脳のしくみです。DMNは特になにもせず、ぼーっと無心になっているときに脳内で働いている回路。この回路が動いていると、脳内で眠っていたまったく別々の情報やアイデアの断片が、意外なつながりを持ちだすのです。まさに、脳がクリエイティブになれる瞬間。

「無心になれる1人の時間」をつくりましょう

1人の時間こそが、脳に栄養を与え、アイデアをつくり出すのです。

だから、私があなたにアドバイスできることがあるとすれば、「いま」という混乱の時期だからこそ、「無心になれる時間をあえてつくるように心がけましょう」ということ。

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私たちは好むと好まざるとにかかわらず、圧倒的な情報量を浴びる毎日を生きています。アメリカで行われた生産性に関する調査によると、一般的なオフィスワーカーの業務の8割以上をSNS、チャット、メール、会議などに参加する仕事が占めているそうです。

そして、オフィスから離れてもスマホやテレビから流れ込む情報にさらされ、じっくり思考する時間を取れていない人が増えています。まして、現在のように答えのわからない感染症が世界を覆う状況になっていればなおのことですよね。