早寝早起きのルーティンを貫徹させることが大事

先述した通り、学ぶには心の余裕が必要だ。膨大な学習量を子どもに強いることで、そのストレスをさらにため込んでしまう。繰り返しにはなるが、学ぶことそれ自体を放棄してしまうリスクがある。受験勉強に割ける時間が膨大にあると考え、親が欲張りすぎてしまうのは避けなければいけない。

大切なのは、コロナ感染が拡大する前と同じ学習量でよしとすることだ。家庭で受験勉強をおこなう1日の平均時間が2時間だったら、それを踏襲すればいい。この非常事態で大切な親の姿勢は「いかに特別なことをしないか」を意識して、それを貫くことである。

もし塾が動画授業や遠隔の双方向型授業を提供しているなら、その前後の時間に自学自習の時間を設けて、予習や復習の時間に充てれば十分である。

ただし、子どもの勉強時間を増やす必要はないが、一方で、必要不可欠なこともある。それはこのタイミングこそわが子に「早寝早起き」の習慣を身に付けさせることだ。

一日中自宅にいると親子ともに生活ペースが乱れてしまいがちだ。それは、心身の不調を招く。たとえば、22時に就寝し、6時に起床するというプランを立てたら、それを毎日必ず実行する。

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この一見、地味なルーティンを守ることで大人も子どもも生活に規則正しいリズムが生まれ、ひいてはそれが子どもの、親の精神的余裕を獲得することにつながるのだ。「月曜日」にはこれをやる、「火曜日」にはあれをやる……と学習計画もルーティン化できると学習効率が一層高まることは間違いない。これを機に親子で膝を突き合わせて、1週間の「無理のない」学習計画を立ててみてはいかがだろう。

子どもの前向きな学習姿勢を育もう

中学受験は、東京・神奈川の場合、例年2月1日から始まる。入試本番までの時間はまだ十分残されている。しかしながら、このコロナによる自粛期間中にどれだけ自宅学習できたかどうかが、コロナ終息後の学力伸長や、本番での合否に直結するはずだ。自宅で「前向き」に「積極的」に学べた子は、きっと志望する学校に合格できるだろう。つまり、わが子をそうした気持ちに導くことができる家庭に吉報はやってくるのである。

焦らず、慌てず、親は子の学びに寄り添ってほしいと願う。

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