コロナ禍でもこのまま好調ぶりは続くのか
では、現在のケンタッキーの好調ぶりはこのまま続くのでしょうか。それは50周年キャンペーンの初動を見ると「イエス」と答えられるでしょう。
今年3月13日、同社は初めてのオフィシャルブック『KFC50th Anniversary やっぱりケンタッキー!』を発売しました。この書籍はアマゾンカテゴリーランキング1位(3月13日時点)を記録し、在庫切れになるほどの人気ぶりを発揮しました。
人気の理由は、特別付録である「期間中、何度も使えるTHANKSパスポート」。その中身は、オリジナルチキンのセットやチキンフィレサンド、ポテトやドリンクなどの割引が受けられるクーポンカードで、なんと21年3月末まで何度でも使い放題というもの。つまり、クーポンを書籍という形で発売し、事実上のプロモーションとして活用したのです。
この書籍発売により、“日常使い”の新規需要を喚起しただけでなく、ケンタッキーはファンを増やすことに成功しました。こうした精緻なマーケティング施策が功を奏したのがケンタッキーのこの2年間の歴史と言えるでしょう。
コロナショックすらも味方につけた「令和の新王者」
最後に、今年懸念されているポイントについても予測を示します。現在、“コロナ不況”の打撃を受けてる外食産業ですが、ケンタッキーは、その影響をどの程度受けるでしょうか。
2月の全店売上高は、前年比115.5%。この時点ではコロナの影響を受けていないと言えます。当然、外出自粛要請が出た3月以降は、影響を受ける可能はあるものの、テイクアウトでの需要が高まる可能性はかなり高いと言えます。
実は、ケンタッキーは3月4日のタイミングで新メニュー「シェアBOX」を発表しました。これは2種類のチキンを選べるチキンBOXで、実質1000円以上お得に買えるメニューとなっています。リモートワーカーが増え、巣ごもり消費が増加する中で、同社はきっちりそのニーズも抑えているのです。
まさに令和外食産業の新・王者と言えるケンタッキー。コロナショックすらも味方につけるそのマーケティング施策には今後も注目です。