子宮頸がんワクチンは打ったほうがいい
感染症によるがんを予防するという意味では、性交渉は信頼できる決まった相手とだけに限ることも必要です。昔ある有名人と深い関係が噂された女性が相次いで婦人科系の病気やがんになり、「男性は気付かなかっただろうが、その男性は婦人科がんを招くヒトパピローマウイルスの保菌者だったのではないか」などと医療関係者の間で話題になったことがありました。
もちろん真偽は確かめようがありませんが、そうなのかもしれないと思ったことを覚えています。がんには性交渉でうつるがんもあります。性交渉は信頼できる相手とだけ行うように心がけましょう。
お子さんを持つ人は子どもたちに子宮頸がんワクチンを接種させるか否か、迷っておられる方も多いと思います。ワクチン接種時の副作用で苦しんでおられる方もおられるので迷われるのは当然ですが、お子さんたちの将来を考えたら個人的には接種したほうがいいのではないか、とも思います。
と言いますのは、30~40代の子宮頸がんの患者さんの苦しみを見てきたからです。その多くは独身で仕事を持つ方々です。子宮頸がんはヒトパピローマウイルスによる感染が原因とされていて性交渉で感染すると言われています。そのことから、周囲から偏見を含んだ目で見られることも少なくないのです。なかには、職場に病名を知られたくないからと保険を申請せずに自費で手術する人もおられました。
飲酒はさまざまながんのリスクを高める
また、「子どもが産めなくなるのでは?」と心配する母親に結婚問題と絡めて追及されてカッとなり、母子断絶のような状態になっている人もいました。将来そういうトラブルを起こさないためにも子宮頸がんワクチンは打ったほうがよいのではないでしょうか。
子宮頸がんワクチンについては、副反応や副作用を含めて以前国内で大論争になりましたが、2019年12月に、日本産婦人科学会がWHO(世界保健機構)の国際声明「全世界的な公衆衛生上の問題 子宮頸がんの排除」の支持を発表しており、ワクチン接種の全世界的視野に立っての重要性をあらためて示しています。