負けていたかもしれない最強の選手

私が尊敬する選手の1人に、キューバのアマリリス・サボン選手がいます。彼女とは12回対戦して、すべて私が勝ちを得ることができました。しかし、少しでも油断をすると負けていたかもしれない最強の選手でした。負けが続くと途中で心が折れそうになりますが、彼女は毎回あの手この手で世界一を目指してきたのです。研究熱心で、一緒に合宿をしていても、私だけにカメラを向けてくるほどでした。彼女のおかげで私もモチベーションを引き上げられたと思っています。

サボン選手は最終的に52キロ級に転向して、世界選手権で初の金メダルに輝きました。階級を変え、より大きな視点で勝ちにこだわった、その生き様からは学ぶことも多かったです。

今、自分の子どもが失敗したときには、「なぜ失敗したの?」と原因を追究することを控えて、「失敗は決して悪いことじゃない」と教えています。大切なのは、子ども自身が、問題をクリアするほかの方法を考えるようになることです。私自身、問題にぶつかると、その都度やり方を変えて解決してきました。それが「知」という形で自分の身に付いたと思っています。

(構成=村上 敬 撮影=大崎えりや)
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