スパイスカレーを家庭料理に定着させたい
——今後、どうなっていたい?
20代のうちの目標は、当たり前に食卓に並ぶ家庭料理として、ママのためのスパイスカレーを定着させたい。東京、大阪などの都市部ではブームになりつつありますが、地方ではまだまだ。そのためには、私も早く結婚して、主婦視点を実感したいですね(笑)。
30代以降は、世界各国のスパイスをもっと研究するのが夢。アフリカにも面白いスパイス料理があるんですよ。印度カリー子シリーズを軸にしたブランド展開をしていけたら、と考えています。
——人生で影響を受けた言葉は?
学生のとき、96点のテスト用紙を父に見せた瞬間に「100点を取る努力しかしてないんだな」と言われたんです。すなわち、100点を取るためには120点を取るくらいの努力をしなくてはいけなかったんだ、とハッとしました。
これは、勉強だけでなく、何にでも当てはまること。レシピ本のアイディアやイベントなどでも、実際にやること以上、120%の準備をするようにしています。一生涯、私の心に刻まれている言葉ですね。
誰かのためなら「爆発的」に行動できる
——あなたにとって理想の仕事(働き方)とは?
ストレスレスであること。せっかく“好き”を仕事にしているのに、仕事が増えてプライベートや睡眠時間も確保できなくなり、心身ともに参ってしまった時期がありました。その経験から「18時以降は、極力仕事をしない」とルールを作り、時間がきたら翌日に仕事を持ち越して、自宅に帰り、夕食のスパイスカレーを作る(笑)。好きな仕事でも、ルーティンの中で、頭と体をスイッチできるような働き方をしていきたいですね。
——これから何かを始めたい人へのアドバイスは?
私は、もともと将来の夢もなく、つまらない人間だったんです。ただ、自分のために作る料理にはハマらなかったのに、姉のために作るカレーには夢中になれた。誰かのために夢中になれることなら、人は爆発的に行動できると思っています。
いざ始めるときには、人頼りになり過ぎないこと。頼ること自体はNGではないのですが、好きなことを仕事にしたいなら、まず自分でやってみる。例えば、自分の手でスパイスの個包装をしてみる、WEBサイトを手探りで作ってみる。ひと通りやって、時には挫折することで、「ロゴを作るためにこのくらいの期間と制作費なら外注できる」と、適正価格や工程が実体験としてわかります。
何かを始めたいという方でも、最初からすべてを人に頼んで、外側だけを繕いがちに。自分でやってみて、物事の本質を知る。自分で事業をする上で、とても重要なことだと考えています。