桜蔭生の7割は「理系・医系」に進学する

桜蔭生の進路は文系・理系でそれぞれどれくらいの割合なのだろうか。学校の教員にたずねると、桜蔭での区分けは「文系・理系」ではなく「文系・理系・医系」だという。

卒業生の話を総合すると、その割合は各3分の1。そう考えると、7割近い卒業生が「理系・医系」に該当することになる。女子校では文系が多い傾向があるので、桜蔭は特異な存在感だということになる。

矢野耕平『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)

学校は進路指導をどのようにしているのか。桜蔭の前校長・佐々木和枝先生はこう語る。

「人にはそれぞれの個性、生き方があります。(学校としては)それらを活かしながら、世の中のために役に立ってほしいという思いを持っています。その活躍の場がどういうところであるかは人それぞれですよね。目立たない地道な活動もあるかもしれないし、うまくいかないこともあるかもしれない。その時に、桜蔭で蓄えた土台になる力、精神力を持って、周囲の人たちの気持ちを考えながら行動していってほしいと願っています。だから、わたしたちには『東大だけではないよ。医者だけではないよ』という思いがあるんです」

わたしは2015年10月に『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)を上梓した。首都圏の女子中学受験生が憧れる、桜蔭、女子学院、雙葉の卒業生数十人を取材し、3校の学校長をはじめとする教員の話も聞くことができた。それぞれの学校の生活を赤裸々に描けていると自負している。興味のある方はぜひ手に取ってほしい。

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