医師、弁護士、政治家…第一線で活躍する桜蔭卒業生たち

桜蔭の創立は1924年、これまでに輩出した卒業生は約1万9000人。卒業生は医師、弁護士、政治家、官僚、研究職、企業の総合職など多岐に渡る分野の最前線で活躍している。

著名な卒業生としては、元上智大学教授で現参議院議員の猪口邦子氏(中学卒業)、元衆議院議員の豊田真由子氏、イラストレーターの水森亜土氏、弁護士の土井香苗氏、アナウンサーでは黒崎めぐみ氏、繁田美貴氏、タレントでは菊川怜氏、三浦奈保子氏など。また、大学教授(特に医学部)が多いのが特徴的である。数年前はミス日本コンテストで準ミスに輝いた東大医学部の女性が桜蔭卒業生であることが話題になった。

桜蔭中学校高等学校が発行した『桜蔭学園創立90周年』の記念冊子の後半には「アンケートからみた卒業生の動向」が細かく記載されている。

たとえば、「現在の就業状況」が年代別にグラフ化されているが、20歳代から50歳代までの就業率(非常勤やパートも含む)は85%~95%である。これは2013年の調査に基づくものであり、同年の全国女性平均就業率(15歳~64歳)が約62%であることを考えると、就業率が抜きんでていることがわかる。

さらに目を引くのは、年代別の職種の順位だ。30代、40代、50代とも第1位は医師である。その他、薬剤師、大学教員も上位にランクインしている。最近は弁護士や裁判官が増加傾向にある。

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桜蔭生は東大に入る確率より結婚生活を続けられる確率のほうが低い

女性の社会進出という観点から考えると、桜蔭生の活躍は実にたのもしいが、その一方で卒業したばかりの大学生はこんな不安を口にする。

「わたしは桜蔭でこんなうわさ話を耳にしたんです。桜蔭生は東大に入る確率より、結婚生活を順調に続けられる確率のほうが低いって。そういえば、わたしが高2の時、たまたまクラスの子たちと恋愛の話をしていたことがあり、『彼氏はいらないけれど、孤独死はしたくないから結婚はしなきゃね』という冷めた意見に同級生の多くが同意していて、ちょっと引きました」

稼ぎはばっちりで誰かの経済力に頼る必要はないけれど、ひとりぼっちは嫌だ。だから結婚がしなければならないが、パートナーを強く求めているかと言われれば、微妙……そんな複雑な心理ということだろうか。