一方、ホンダもF1撤退、鈴鹿8耐撤退などのニュースが続く。社員によると、一部の社内自販機の電源を休日はオフに。大規模工場では100台以上になるので電気代はバカにはならない。とはいえ、「月曜の朝のコーヒーがぬるい」という社員もいて、自販機収入も減少気味とか。

加えて、海外出張もビジネスクラスからエコノミーに格下げされたとのこと。

「もともとビジネスクラスは法人契約で価格もリーズナブルでした。エコノミーに替えても2割しかコストダウンになってないのが悲しい」(30代社員)

さらに、経費削減の動きは人事異動にも影響を及ぼしているという。

「会社持ちの引っ越し代節約のため、遠方の転勤は凍結。最近の異動は近場の通勤可能圏内のみに。今年本社勤務に戻る予定だった社員が地方で足止めくらって落胆している」(40代社員)

ほかにも、蛍光灯の量を半分(光量2倍の製品に変更)、使い捨てでない電池の導入、作業着や制服のリユースなど。前出の30代社員はこう笑顔で語る。

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有名企業の経費節減例

「士気が下がるような無茶なことはしないのが基本です。むしろ削減はエコにつながる、という前向き感があり、アイデアを出しあうのがとても楽しい」

最後は、日本を代表するあるエクセレント・カンパニーのケース。社員の声を拾うと……「リースの観葉植物が撤去された」「トイレのジェットタオルの電源が切られ、『緊急収益確保対策』の貼り紙があった」「プレゼン用のパワーポイントやカラーコピー使用は自粛傾向に」と、こちらは徹底している。

「この前も“経費をゼロベースで見直せ”との通達がありました。もはや営業時の交通費さえ請求しにくい空気と感じる人もいる。理不尽に思うこともありますが、正社員給料カットや人員削減よりはいい、と社員はみな黙って従っています」

もしかしたらこうしたセコさを楽しめた人が出世をしていくのかもしれない。