「大人の中二病」、たとえばこういうケース

話を「大人の中二病」に戻そう。先日、私が実際に遭遇したケースである。

2019年10月、私はとある広告関連のイベントにプランナーとして関わった。このイベントに、いわゆる「インフルエンサー」(SNSフォロワーの多い人)を招くことになり、知人のA氏にも声をかけることにした。

A氏はイベントで紹介する商品の周辺事情についてそれなりに造詣が深く、SNSではインフルエンサー的な立ち位置でもある。そこで、イベントの趣旨やギャランティの金額など詳細を明記し、メールで参加をオファーした。

私ともう一人のプランナーで手分けをし、当日は総勢20人のインフルエンサーをイベントに呼ぶことになっていた。声掛けをした人はすべてリスト化し、参加について「○」「×」で整理。未確定の先約が入っていたり、業務状況次第で予定が流動的だったりする人たちには「まだ答えられない」を意味する「△」をつけた。

ノルマである20人を達成するべく、「×」の人が出れば別の候補をクライアントに提案し、その都度、呼んでも構わないか判断を仰いだ。

皆がきちんとレスするなか、唯一、返信しない男

A氏も含め、最初に声をかけた20人のうち19人からは2日以内に「○」か「×」か「△」の返事が来た。そこで「×」の人数を考慮しつつ、「△」の人には「○月×日までにお返事ください」と確認のメールを送る一方、別の候補者にも声をかけていき、リミットの数日前までには19人の参加者が確定した。唯一、返信がなかったのがA氏である。

こちらとしては「Aさん、忙しいのだろう」と判断し、クライアントには「A氏は『×』ということにしましょう。あと一人は、責任をもって当日までに見つけます」と伝えた。仮にA氏が直前になって「○」と言ってきたとしても1人分のギャラが増える程度なので、予算のバッファー内で十分処理できる。

だが、最終的にはイベント開催時までA氏からの返事はなかった。とはいえ、20人目の参加者は問題なく見つけることができたし、イベント自体は非常に盛況だったので、クライアントも満足してくれた。少なくとも、参加者への打診や調整に関して我々に特段、問題はなかったはずだし、A氏に対して礼を欠くような振る舞いがあったとも思えない。