1万円の失敗を防ぐなら、スタバ代は惜しくない

このとき「選ぶターン」でいったん店を離れることが重要なポイントです。

店内で考えること自体が「買わない」という選択をしにくくなりますし、冷静さをなくした状態で判断をする状況に自分を設定してしまっているからです。

あなたの目の前に販売員がいるということはすぐに結論を出す必要がある状態です。これだけであなたの判断にはバイアス(偏り)が生じます。しかもその販売員にムダな時間を使わせては悪いなぁと意識した時点で、買わないという結論が出しにくくなり、「これは似合うと思うから買うことにしよう」のように自分を無理に納得させてしまうことになります。

そもそもC店で立ち止まって判断するときにA店の商品をフラットに比較することは難しいはずです。かくして私たちは選択を間違います。

フラペチーノを飲みながら頭を冷やす

だとすれば、とにかく一度店を出ることが冷静な判断を行うための重要な手段です。「ちょっと考えますね」とか「他店もちょっとのぞいて、また戻ってきます」のようにとりあえず言うべきです。

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いっそのこと、「見るターン」では店員とは話さないほうがいいかもしれません。そのほうが予断を与えずにすみます(私はそうしています)。だとすると「選ぶターン」において500円のフラペチーノを飲みながら検討したとしても、コストとしてはまったくムダではありません。むしろ1万円以上の買い物の失敗を回避するコストだと思えば安いものです。

スタバのフラペチーノは高いので頼まないという人もいるでしょうが、むしろこういうときこそ頼んで、自分を冷静に戻す時間を作り、購入するものを吟味する時間を確保してみてください。