「消えるボールペン」も自然がヒント

現代社会でも、自然にインスピレーションを得て、さまざまな発明が生み出されています。

桜川 Daヴィんち『超訳 ダ・ヴィンチ・ノート』(飛鳥新社)

色が消える驚異のボールペン、「フリクションボール」。この大ヒット商品の元々の着想も自然観察にあります。ある研究者が、一夜で緑から赤に変わる紅葉を見て、「温度差」のもたらす作用に着目し、思いついたのだそうです。このペンのインクには、「発色剤」「顕色剤」「変色温度調整剤」という3つの成分が含まれていて、65度までは発色剤と顕色剤が結合しインクが発色、65度以上になると顕色剤が発色剤から分離し変色温度調整剤と結合、その結果色が透明になるという仕組みだそうです。

自然の神秘はまだまだ未解明。当たり前に起きている現象に疑問を感じ、何かに応用できないか、という視点で自然を観察すると、まだまだ新たな発見があるはずです。

ダ・ヴィンチの次の言葉は、現代の発明家のために、生き続けているのです。

「自然は、まだ人に試されたことのない無数の原理に満ちあふれている」(パリ手稿I)
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