「連休浪費」回避術2:お金の使い方にメリハリをつける日常習慣

「連休浪費」をしないための対策その2は、やはりふだんから家計支出のメリハリをつける習慣を持つことだろう。

例えば、食べ歩きやお取り寄せなど美味おいしいものを食べるのが大好きで、どうしても食費は高めになってしまうが、その分、被服費や交際費などはほとんどかけないように配慮する。あるいは、家族そろってキャンプが趣味だが、普段の生活では外食をしないで節約を心掛ける。そうやって本人や家庭のニーズに応じて優先順位を明確にすれば、家計の赤字転落を防ぎ貯蓄もしっかりできる可能性は高い。

家計相談を受けていると、連休浪費に陥りがちなのは比較的収入の高い家庭ではないかという気がする。多額な住宅ローンを返済し、子供の教育費には糸目をつけない。外食比率も高い。そのような家庭の場合、連休で外出するとさらにタガが外れて支出もふくらみがちなのだ。

連休の「暮らし方」でその人の幸福度の高さ低さがわかる

以前、雑誌『プレジデント』(2018年8月13日号)で「年収1000万円vs.400万円 ビッグデータ解析」という特集記事に取材協力したことがある。そのアンケート解析では、年収が少ない人より年収が多い人のほうが「人生の満足度」についての平均値が高かった。収入は少ないより多いほうがいい、というのは当然だろう。

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しかし、年収400万円未満でも満足度がとても高い人もいた。この人たちについて調べると、彼らは人生において「家族仲」「休日の充実度」「友人の数や友人関係」「異性関係」などを重視していることがわかったのだ。

要するに、相対的に年収が低く、可処分所得がそれほどなくても、家族や友人、交際相手など人間関係が充実している人の満足度は高く、人生を幸福なものと感じられるようなのだ。

幸福度を考えるうえでは、「地位財」と「非地位財」の違いを理解する必要がある。

地位財とは、他人との比較優位によって価値が生じるもので、所得(お金)や社会的地位、さらにクルマやマイホームなどを指す。

一方、非地位財とは、他人との相対比較と関係がなく、それ自体に価値があり喜びを得られるものだ。休日(休暇)や友人関係、愛情、健康、社会への帰属意識など、いわゆる「プライスレス」なものである。

プレジデント』のデータ解析によれば、人生の幸福度を決めるのは、その人が置かれた境遇や所得の多さ、持っているモノではない、というものだった。

連休の過ごし方でいえば、浪費に走るのではなく、「非地位財」の質と量を高めるためにお金を使うことが、幸せになる近道だといえそうだ。

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