何かいいことがあると「神様が見ている」と言ってみたり、不幸に見舞われて「今年は厄年だから」と言ったことのある方は多いでしょうし、宝くじが当たりやすい売り場とされている西銀座チャンスセンターには、いつも長蛇の列ができています。

もちろん、実際には確率に影響を及ぼさないことを理解したうえで話していることもあると思いますが、教育の場面では話が別です。まだリテラシーのない子供に対し数字とオカルトを結びつけることは、将来的に大きな過ちを生み出すおそれがあります。

誤った説明を推奨することは、大きな罪

現在アプリストアでは、アプリ内でランダム確率の有料アイテム(いわゆるガチャ)を実装する際、出現率の明記が義務付けられていますが、実体のあるおもちゃの場合は出現率の表示義務がないため、「いくらかかりそうか」を推測することも困難です。

仮に最も出現率の低い「ゴールデンレア」の出現確率が50分の1だったとします。

その場合、50個ぬいぐるみを買ってゴールデンレアが出る確率は約63%。およそ3人に1人はゴールデンレアを手に入れられません。

また、100個買ってもゴールデンレアが出る確率は約85%で、6人に1人は手に入らない計算です。

前述のように、ぬいぐるみの出現率は非公表なため、これよりもさらに厳しい確率である可能性も否定できません。このぬいぐるみは定価1628円ですから、約16万円を使っても目当てのぬいぐるみが手に入らないことも確率的にはありえます。

それでもあなたは自分の子供に「あなたは日頃の行いがいいから、絶対に欲しいぬいぐるみが当たる。日頃の行いがよければ、都合の悪い結果が出ることは絶対にないのよ」と言えるでしょうか?

もちろん、人として善く生きることはとても大切です。しかし「道徳的に正しいことをしていれば、理論が間違っていても許される」ということはありませんし、数字と向き合うことを放棄して、道徳と結び付けた誤った説明を推奨することは、大きな罪だと私は思います。

私が子供を授かった暁には必ず確率の話を教えていきたいと思っています。

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