「手抜きができる子」のほうが伸びる

だが、チェックが甘ければ、手抜きができる。時間の自己裁量権を手放さないでいられるからだ。中学受験で伸びていく子は、手抜きができる子だ。出された宿題も、「これはもう分かっているから、やらなくていいや」「これは全然分からないなー。今やってもお手上げだから、やーめた!」と宿題の取捨選択ができる。

そして、「これは解けるかもしれないぞ。よし、やって頑張ってみるか!」と、じっくり考えれば解けるかもしれない問題に集中する。そうやって、「あと少し頑張ればできそう」という問題を一つひとつクリアしていくことで、自信をつけていく。この自信こそが、小学生が挑む中学受験には欠かせない。

たくさん勉強をしているのに、成績が上がらない。そんな負のスパイラルに陥っている子供には、たくさんの課題を与えるのではなく、自由裁量権を少しだけでも与えてほしい。

(構成=石渡真由美)
関連記事
名門麻布が「受験指導」を一切しない贅沢な理由
子供が見違える「短い声かけフレーズ10」
東大生の約半数は「努力できない脳」の持ち主だ
「夏休みに勉強した子」が秋に成績を落とすワケ
モンスター親をふるい落とす名門校の質問