あとは窓口で申請を行えば、1~2週間以内に調査員の訪問による聞き取り調査が行われる。

「調査には必ず立ち会ってください。お年寄りは『他人に迷惑をかけてはいけない』という気持ちが強く、普段は寝たきりに近いような人がいきなり立ち上がり、『この人は元気なんだ』と判断され、適正な認定がおりなかった、というケースも少なくない」(横井氏)

訪問調査の時間は1時間程度

要介護度の認定は、麻痺の有無、寝返りができるかといった身体機能、日常生活において介助が必要かなど、6項目50問以上の質問で行われる。訪問調査の時間は1時間程度のことが多く、かなりタイトな調査だと言えるだろう。

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横井氏によれば「現在は調査員が目の前で起きていることを素直に記録する傾向にあるため、何について質問されるのかを事前に調べて、自分なりに回答を整理することが必要」だという。

困っていることやできないこと、そして親が何を求めているのかをまとめておき、調査の際に効率よく伝えるようにしたい。

「主治医の意見書をしっかりと書いてもらい、普段困っていることを書いたメモなどを用意すると、スムーズに意見を伝えられます。要介護認定を受けるうえで、訪問調査への対応は最重要ポイント。しっかり準備をしてください。ほかにも訪問調査で準備するべきことや知っておくと役に立つ裏ワザを、まとめてあります」(同)

また、認知症の疑いがあっても親が病院に行きたがらないケースも。その場合、役に立つのがWebサイト「おやろぐ」の「認知症かんたんチェック」だ。これは精神科で受ける認知症の初期診断である「計算力」や「短期記憶」の測定をゲーム感覚で行える。

介護はいつ始まるかわからないものだからこそ、早め早めに知識武装をしておきたい。