▼8つの裏ワザを、介護を知り尽くした男がこっそり伝授!
POINT① 訪問時間は夕方以降を希望する
訪問調査を依頼する時間帯が重要だ。高齢者は早起きする人が多く、体力に余裕のある午前中は元気に振る舞ってしまうことが多い。そのため疲労がたまってきた午後以降、できれば夕方に調査を依頼したほうが介護状況の実態を効率よく調査員に伝えることができる。
POINT② 主治医による意見書の内容を充実させる
要介護認定を下すのは、2次判定を行う「介護認定審査会」だが、1次判定でのコンピューターによる暫定の判定通りに決定するケースが多い。しかし、主治医による意見書がしっかり書かれていれば、本来に近い要介護度が得やすくなると言える。
POINT③ 調査員に日記やメモを渡す
調査員に普段の親の行動を親の前で説明すると、本人が嫌がる内容も含まれ、傷つける可能性がある。メモや日記を渡すことで親に気づかれることなく問題行動を説明することができる。その際は、説明用の本命と親用のダミーを用意することも一手だ。
POINT④ ありのままをスマホなどで撮影しておく
認知症患者には、昼間は穏やかでも、夜になると暴れたり大声を出す患者が存在する。しかし、夜間に訪問調査は行われないため問題行動が調査員に伝わりにくい。そのため問題行動の様子や、暴れて怪我をした箇所などを撮影して調査員に見せよう。
POINT⑤ 「区分変更申請」は意義申し立てのチャンス
要介護度は定期的に見直されるようになっており、1~3年に1回、再審査を行う。しかし容体が急変した場合などには、更新時期を待たずに「区分変更申請」を行うことが可能。この制度を活用すれば、認定結果への異議申し立てを行うことができる。
POINT⑥ 「暫定ケアプラン」でサービス受給を前倒しできる
要介護認定には、1カ月ほど時間がかかることが多い。しかし緊急時には認定結果が出る前に暫定の要介護度を出して介護サービスを前倒しで利用できる。認定された正式な要介護度が、暫定の要介護度よりも低いと、自己負担の費用が発生する恐れがあるので注意。
POINT⑦ 表現や伝え方を「親のため」で統一する
主治医は、基本的に患者ファースト。「介護家族が仕事を辞めて介護しても当然」ぐらいのアドバイスをすることも少なくない。それを逆手に取り、「介護を放棄するため」ではなく、「親を守り続けるため」に協力してほしいと伝えると医師の助力を得やすい。
POINT⑧ 訪問調査前に掃除はしない!
訪問調査ではありのままを伝えないと実際とは異なる判定結果となり、本来なら受けられる介護サービスが受けられなくなってしまう。そのため、訪問調査に向けて特別に家の掃除をする必要はない。親が「できない」ことは「できない」と伝えよう。
横井孝治(よこい・こうじ)
コミュニケーター代表取締役
介護情報のスペシャリストとして、介護に関する記事の執筆や介護情報サイト「親ケア.com」で情報発信を行うほか、年に200本以上の講演を精力的に行っている。
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