せっかく飲みものを買うなら「タダでも飲める水」以外のもので

家庭用ミネラルウォーターの先駆け的存在は、1983年発売の「六甲のおいしい水」(ハウス食品/当時)である。1973年生まれの私も10歳のときに「なんで水道の蛇口をひねればいくらでも水が出てくるのに、わざわざ買うの?」と思っていた。もちろん、水道水よりもおいしい水であろうことは想像できたのだが、「せっかくお金を払うのだから、自宅では獲得できないものを買うほうが得だ」という意識が強かった。

当時は「スコール」や「カルピスソーダ」「ファンタ」を好んで飲んでいたが、今は次のような感じで優先順位をつけている。

コカ・コーラ・ゼロ(を含むゼロカロリー炭酸飲料)>>>>>>三ツ矢サイダー(などの砂糖入り炭酸飲料>>トロピカーナなど果汁100%ジュース>>スポーツドリンク>缶コーヒー>爽健美茶や十六茶といったブレンド系のお茶>烏龍茶>緑茶>>>>>水

ご覧のとおり、オッサンになったいまでも、水は最下位なのである。要するに「家で再現するのが難しい順番」になっているのである。

ペットボトルの水を飲むのは「必要に迫られたとき」だけ

現在、ペットボトル入りの水(ミネラルウォーター/ナチュラルミネラルウォーター含む)は完全に市民権を得ているものの、私個人でいえば、10歳の頃に「なんでジュースと同じ金額を払って、わざわざ水を買うの?」と思って以来、いまだに買うことはほぼない。

中学、高校の頃はアメリカに住んでいたのだが、なにしろ355ミリリットルの缶入り炭酸飲料が1本35円くらいだったのである。そのため、ダイエット・コーク、ダイエット・ペプシ、ダイエット・スプライト、ダイエット・7up、フレスカ(シトラス風味のゼロカロリー炭酸飲料)ばかり飲んでおり、ボトル入りの水は一切飲まなかった。いまはビール偏愛主義者のため、飲食店で入店直後に“お冷や”が出ても一切口をつけず、程なく運ばれてくるビールを最良の状態で味わおうとする。

とはいえ、私もペットボトルの水を飲むことが年に30回ほどある。たとえば、講演など人前でしゃべるような場面では、ペットボトル入りのミネラルウォーターが主催者から提供されることも多い。さすがに、その水はありがたく頂戴する。もっとも私がこれを口にするのは、あくまでも2時間ほどしゃべり続けるため、どうしても途中で喉を潤す必要があるからに他ならない。あえて言わせてもらえば「しゃべるために飲んでいる」だけなのだ。もしも水のほかにコカ・コーラ・ゼロや三ツ矢サイダーW(ゼロカロリーのトクホ飲料)などが用意されていたら、おそらくそれらを選ぶだろう。