筋肉をつければ食べ方次第でスタミナを増やせる

肝臓の大きさはだいたい1~1.5キログラム程度です。トレーニングや食事によってかえることはできません。また食事で蓄えられるのは1回の食事で約50グラム程度です。筋肉の場合は1日に約200~300グラムが蓄えられます。しかも筋肉量を増やせば蓄える量はさらに増えます。

つまり、筋肉をつけることで糖質のエネルギーをからだにため込む量を増やすことができ、食べ方次第でスタミナをアップさせることもできるのです。

先ほど、血糖値スパイクや、グリコーゲンとして肝臓と筋肉に蓄える話をしました。食事をするとこれらの組織にグルコースが運ばれますが、そのときに変化するのが血糖値です。

血糖値は80~100mg/dlに調整されています。この血糖値を調整しているのが肝臓のグリコーゲンで、筋肉のグリコーゲンは血糖値の調整には使えません。筋肉のグリコーゲンは運動時の筋肉のエネルギーになるものです。

食事をしてグルコースがとりこまれると血糖値は急激に上昇し約30~60分で最大値になります。血糖値が上がるとすい臓から分泌されるインシュリンによって、グルコースが細胞内にとりこまれます。それによって2時間程度で食後の血糖値は元に戻るのです。

「鶏肉の照り焼き」は筋肉作りに向いている

逆に、血糖値が低くなるとグルカゴンというホルモンが分泌され、肝臓からグリコーゲンが使われ血糖値を一定に戻します。

インシュリンとグルカゴンというホルモンによって血糖値は一定に保たれていますが、インシュリンが分泌されることで、からだへのたんぱく質の合成が高まるとともに、分解も抑えることができるのです。つまり筋肉を作るにはこのインシュリンをうまく使うことが大事です。

なお、よく間違えやすいのは、血糖値を上げるのは糖質だということです。脂質は血糖値を上げないことを覚えておきましょう。

インシュリンが分泌されることで、からだへのたんぱく質の合成が高まり、分解が抑えられることは前述した通りです。

ということは、たんぱく質だけとってトレーニングをおこなうよりも、インシュリンをだすような食事をすることが筋肉作りには有効なことがわかります。

ただし、たんぱく質の多い肉類、魚介類、卵、乳製品、豆製品などにも糖質は若干含まれます。さらにたんぱく質の多い鶏肉でも鶏肉の照り焼きや、甘辛ソースなどをかければ、調味料として使用している砂糖やみりんによって血糖値が上がりインシュリンが分泌されます。