食事制限ダイエットは「基礎代謝」を落とす
前号では「痩せ薬」を取り上げたが、医療に頼らず、日常でダイエットができればそれに越したことはない。
というと、多くの人は食べる量を減らす食事制限を考えるが、やり方によっては以前よりもさらに太ってしまう可能性があるという。
立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授がこう説明する。
「食事制限によって理論的には1カ月に5kg程度を落とすことが可能です。ところが食べる量を全体的に減らすと、筋肉をはじめ、皮膚や髪などの体の組織をつくるために欠かせない栄養素であるタンパク質が不足しやすくなります。その状態で体重が落ちても、肌が荒れたり髪が細くなったりして、老け込んだ印象に……。加えて、食事制限ではエネルギー源である糖質も控えるので、体は血糖値を維持するために筋肉を分解してアミノ酸に変換し、エネルギーとして使おうとします。つまりダイエット中に十分なタンパク質が摂れていない、糖質が制限されてしまうことで筋肉が壊され、筋肉量が大幅に落ちてしまうのです」
「筋肉なんてどうでもいい。とにかく痩せたいんだ!」と思う人もいるかもしれない。しかし筋肉量が減ると、“太りやすい体質”になってしまう。理由は2つあり、ひとつは1日の消費エネルギーの6〜7割を占める「基礎代謝」が落ちてしまうからだ。基礎代謝とは呼吸や体温維持、臓器の働きなど生命活動を維持するために、じっとしていても消費されるエネルギーのことで、その20%を筋肉が消費している。同じものを食べても若い頃は太らなかったのに、年とともに太りやすくなるのは、加齢に伴う筋肉量の減少(=基礎代謝の低下)が大きい。食べものからの摂取エネルギー(カロリー)が、消費エネルギー(基礎代謝量と日中の活動や飲食の消化などで消費するエネルギー)を上回れば太るからだ。
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