健康的にやせるにはどうすればいいのか。循環器内科医の池谷敏郎さんは「糖質制限ダイエットはやらないほうがいい。私も30代のころに実践してみたが、リバウンドしただけではなく体調不良になってしまった」という――。(第2回)

※本稿は、池谷敏郎『血管の老化は「足」で止められた』(青春新書PLAY BOOKS)の一部を再編集したものです。

ご飯を食べる女性
写真=iStock.com/west
※写真はイメージです

糖質制限ダイエットは諸刃の剣

膝が悪くて歩けなくて、それでいて食べることは大好きなので太ってしまい、ますます膝が悪くなる……という悪循環に入っている人がいます。この悪循環を断ち切る唯一の方法は、やせることです。

「膝が痛いから歩けない」ではなく、「歩ける体をめざす」ことが先決でしょう。「膝が痛くて歩けない」という問題があるのなら、膝まわりの筋肉を鍛えるのと同時に、今までと同じように食べていてはダメなのです。では、どう食べればいいのかということで、私がおすすめしているのが「なんちゃって糖質制限」です。

ご飯、パン、麺類、いも類といった主食と、甘いものやフルーツなどの間食を控えるのが「糖質制限」です。糖質制限をすると、確かにやせられます。太る原因になるものを食べないのですから、体重はスルスル落ちていきます。でも糖質制限は諸刃もろはつるぎのようなもので、簡単にやせられる一方でリスクを伴うダイエット法です。何より、リバウンドしやすいのです。

まわりに「糖質制限でやせた」という人はいますか? その人たちは、その後、やせた体型をキープできていますか? おそらくまた戻っていると思います。というのは、私も苦い経験があるのです。