「こんまり」ブームからひも解く米国進出の可能性

今後のカギを握るのは、やはりメルカリ自体の米国展開だ。グローバルで大きく成長するためには、海外市場、特に規模の大きい米国市場での成功が欠かせない。前述のメルペイについても、プラットフォームと紐づいているので、メルカリが成功しないとメルペイも成功しない。

米国ではガレージセールが一般化しているため、フリマアプリが流通する見込みは薄いと見る向きも強い。しかし筆者はメルカリが付け入る隙もあると考えている。

それは米国人の価値観の変化だ。米国人のライフスタイルと言えば、映画で見るような大きな家や広い庭のイメージがあるかもしれない。だがリーマンショック以降、米国人の持ち家率は下がり、居住空間自体も縮小傾向にある。

都心に住む志向の高まりと相まって、特に若い世代では「必要なモノだけを持って暮らす」スタイルが広がりつつある。片づけコンサルタントの近藤麻理恵(こんまり)氏が米国で大ブームとなっているのも、その影響の1つと言えるだろう。

居住空間の縮小は米国人の生活様式を大きく変えるだろう。米国でも、フリマアプリで不要なモノを売りながら身軽に生活する、そんなライフスタイルが主流になれば、メルカリにとっても大きな商機となりうる。メルカリがGAFAに準ずるような存在にのし上がることも、不可能ではないだろう。

(構成=衣谷 康 写真=時事通信フォト)
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