安田学園中学校・高等学校にも団体交渉の申し入れ

実際、私学教員ユニオンは、3月8日に、新たに安田学園中学校・高等学校に団体交渉の申し入れを行ったという。ここでも、非正規教員への不当な雇い止めの問題が中心となっている。同学校の問題と団交の経緯については同ユニオンのウェブサイトに詳しい。

同じような問題を抱えている先生はきっとたくさんいるのだろう。

上に紹介した正則学園高校の事例のように、労働組合(ユニオン)では、働き手の想いや要望に基づいて、職場内のさまざまな問題について使用者と交渉することができる。以下に、今回紹介した私学教員ユニオンをはじめ、労働相談窓口を記しておいた。ぜひ、不当な環境に泣き寝入りをするのではなく、一度相談をしてみてほしい。

<無料労働相談窓口>
私学教員ユニオン
*私立学校で働く教員で作っている労働組合です。多数の学校に組合員がいます。正規・非正規にかかわらず、一人からの相談にも対応します。
NPO法人POSSE
*筆者が代表を務めるNPO法人。訓練を受けたスタッフが法律や専門機関の「使い方」をサポートします。
総合サポートユニオン
*個別の労働事件に対応している労働組合。労働組合法上の権利を用いることで紛争解決に当たっています。
仙台けやきユニオン
*仙台圏の労働問題に取り組んでいる個人加盟労働組合です。
ブラック企業被害対策弁護団
*「労働側」の専門的弁護士の団体です。
ブラック企業対策仙台弁護団
*仙台圏で活動する「労働側」の専門的弁護士の団体です。
今野晴貴(こんの・はるき)
NPO法人POSSE代表/雇用・労働政策研究者
1983年生まれ。仙台市出身。2006年、若者からの労働相談を受け付けるNPO法人「POSSE」を設立し、以来代表を務める。年間約3000件の労働・生活相談に関わる。また、相談事例から日本の労働問題について調査・研究、政策提言を行っている。著書に『ブラック企業』(文春新書)、『生活保護』(ちくま新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)など多数。発信媒体に雑誌『POSSE』、Yahoo!ニュース 個人オーサ―、共同通信社連載・「現論」など。博士(社会学)。
(画像提供=今野晴貴)
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