ポールンロボの情報をもとに細かな予測を提供

アプリ「ウェザーニュースタッチ」の「花粉Ch.」のイメージ図(画像提供=ウェザーニューズ)

一般の人は、どのように「花粉情報」を知ることができるのか。

たとえばWN社のアプリ「ウェザーニュースタッチ」に会員登録し、スマホにアプリをダウンロードすれば、詳細な情報を知ることができる。無料会員と有料会員があり、サービス機能は異なるが、無料会員もダウンロード後に「メニュー」→「自然・季節」にある「花粉Ch.」(花粉チャンネル)にアクセスすれば、同社提供の「花粉情報」が見られる。

「花粉情報」のトップ画面は日本地図で、札幌、仙台、新潟など全国10の主要都市だが、「マイタウン」を設定すれば、東京都なら都内23区、都下の市・町・村、大島や三宅島などの島しょ部の設定も可能だ。

自宅や勤務先の場所を設定するのが一般的だが、出張先や旅行先を「マイタウン設定」して花粉情報を把握することもできる。この「設定」は簡単に変えられ、外出前に変更もできる。

38万カ所だった予測エリアが600万カ所に

情報環境の変化に伴い、花粉観測の手法もかなり進化した。

「従来の花粉の計測方法は、ガラス板に付着した花粉を顕微鏡で数える『ダーラム法』と呼ぶやり方でした。私も神経を使いながら、採取した経験があります。それがデータ採取も一括操作できるようになり、手法も進化していったのです」(森田氏)

この間の通信環境の進化も大きいようだ。たとえば、以前は無線LANを使用していたが、現機種は通信モジュール「SORACOM(ソラコム)」を活用して無線LANを使わずにすむ。通信費も2005年に比べれば驚くほど安くなった。

昨年11月にも「ポールンロボ」設置者を新たに公募しており(現在は終了)、観測地点も2005年の約10倍。そもそも観測地点を広げる必要はあるのだろうか。

「現在の気象は、局地的なゲリラ雷雨など狭い地域で起きることも増えました。また、人間の活動する時間帯や移動距離も広がり、気象情報ニーズは十人十色。同じ人でも、日によって欲しい情報も変わります。そうした詳細な予測にはデータの多さが必要で、多い方がよいのです。ただし、ヒトの目で直接観測することは少なくなり、データ収集はロボットが担う時代となってきました」(同)

250mメッシュのイメージ図。エリアごとの飛散量を1時間ごとに予測する(画像提供=ウェザーニューズ)

前述した「ウェザーニュースタッチ」の「花粉チャンネル」では、花粉飛散量(予想)を“やや多い”“多い”“非常に多い”というエリアを、250m単位で地図表示している。この結果、従来の1km単位では38万カ所だった予測エリアが、16倍の608万カ所に増えた。また、特に注意が必要な地域も、1時間ごとから1日半(36時間)先まで確認できるようになった。