都連幹事長が「叱咤激励」に感謝するという流れに

この二階氏の発言は「なかなか候補者が定まらない都連を叱咤激励するものだった」ということで沈静化が図られようとしている。

7日、二階氏ら執行部は都連幹事長の高島直樹氏と面会。二階氏の懐刀である林幹雄幹事長代理が「ご迷惑おかけした」と頭を下げると、高島氏は「叱咤激励していただきありがとうございました」と矛を収める考えを見せた。

ただし都連側は小池氏を「全面協力」する考えは全くなく、候補者擁立作業を加速することになる。

都連幹部が熱望するのは、元テニス選手の松岡修造氏

都連側も、すでに水面下では活発に動いている。名が上がっているのは鈴木大地スポーツ庁長官、橋本聖子参院議員、丸川珠代元五輪相ら。キーワードは「東京五輪の時の知事らしい人物」。鈴木、橋本両氏は元オリンピアン、丸川氏は五輪相経験者だ。中でも最有力とされるのが丸川氏。元アナウンサーで知名度があり、何よりも「小池氏よりも若い女性」が強みだという。

都連のある幹部は、元テニス選手でスポーツキャスターの松岡修造氏を熱望していた。確かに口説き落とせれば最も知名度が高い候補になるだろうが、残念ながら松岡氏は、東京五輪に向けてテレビ出演の契約などがびっしり詰まっていて、今からひっくり返す状況ではないのだという。要するに「東京五輪の顔」にふさわしい人物ほど、既に日程が埋まっていて身動きが取れないというジレンマに陥っている。

谷垣禎一前党総裁を推す声もある。自転車運転中のけがで政界は引退したが、ことし2月自民党大会では、車いすに乗って元気な姿を見せた。党側が「パラリンピックに力を入れるところを強調して、従来にない支持層を確保したい」という思惑もあるのだが、谷垣氏が出馬を決断するとは思えない。