地域の資本を最大化して、持続可能な資本主義をつくる
もうひとつは「働く場」「コミュニティ」というものが、かつての姿に回帰しているからではないかと思う。戦前には「職域食堂」というものが都内にもあたりまえにあったという。
一社で社員食堂を持つのではなく、地域の働く人たちが集う場所。その後、高度成長期を経て、社員食堂はひとつの会社の中にあることがあたりまえになった。一周ぐるりと回って、地域や職域というゆるやかな連携に、再び注目が集まっているように思う。
地域ならではの資本を最大化することで、持続可能な資本主義をつくっていきたい。それを、鎌倉から発信できないだろうか。カヤックが提唱するそんな「鎌倉資本主義」の取り組みの一環として始まった「まちの」シリーズは、現在、「まちの保育園」「まちの人事部」と広がり、地域を基盤としたつながりを生み出そうとしている。
家族や会社という強いつながりは、これからも続くだろう。けれども家族の形が多様化し、働き方改革が進む中で、住む場所、働く場所を、自分たちの意思で選ぶ人がますます増えていく。そのとき、人と人のつながりやコミュニティのような、地域ならではの「資本」がますます大事になっていくのだと思う。
面白法人カヤック 広報
2009年からグロービスでリーダーズ・カンファレンス「G1サミット」立ち上げに参画。事務局長としてプログラム企画・運営・社団法人運営を担当。2017年夏より面白法人カヤックにて広報・事業開発を担当。趣味は独酌。