「事実を歪めているのは韓国のほうだ」
さて社説はどう書いているのか。
韓国嫌いの産経新聞が12月23日付(「見出し「射撃レーダー照射 韓国は過ち認め謝罪せよ」)に引き続いて1月5日付の社説(主張)でまた書いている。
見出しは「韓国が謝罪要求 理性欠く行動に未来ない」だ。「理性欠く」とは産経社説らしい韓国に対する表現である。ざっと本文を読んでいこう。
「一向に非を認めようとしない韓国が逆に、おかしな理由を言い立てて日本に謝罪を求めてきた」と書き出し、こう指摘する。
「韓国国防省が反論すると称して動画を公開し、P1が『威嚇的な低空飛行をした』として、日本に謝罪を要求した。防衛省がP1撮影の動画を公表したことなどを念頭に『事実を歪曲する行為を中断』することも求めた」
次にこう主張する。
「だが、事実を歪めているのは韓国のほうだ。照射を認めて日本に謝罪することなしに、日韓関係の未来はないと知るべきだ」
「危険な敵対的行為を働いたのは韓国側だけである。照射はミサイルなどで攻撃する際の準備行動で、非難されて当然だ」
事実のもとづいた分かりやすい主張である。社説を「主張」としている新聞らしさが滲んでいる。
自衛隊と韓国軍は、本来は友軍的関係を保つべき
続けて産経社説を読み進めてみる。
「日韓は同盟関係にはないが、安全保障上の機密情報を共有する軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を結ぶ間柄だ。共に米国の同盟国でもある。2013年には、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に当たる韓国軍が弾薬不足に陥り、陸上自衛隊の派遣部隊が弾薬1万発を提供したこともある」
「米韓同盟は北朝鮮の脅威に備えている。自衛隊と韓国軍は、本来は友軍的関係を保つべきなのに、海自機が近づいたら『威嚇』とみなして、非難する韓国側は極めておかしい」
「安全保障上の機密情報の共有」「友軍的関係」、いずれも韓国側も強く認識しているものとばかり思っていた。ところが韓国はそうは考えてはいなかった。これが現実なのかもしれない。沙鴎一歩は韓国という国に対して認識をあらためたい。
韓国の行為は「理性を欠く」
産経社説はその最後を次のように締めくくっている。
「日韓外相は4日、電話でレーダー照射や『徴用工』の問題を協議した。外交、経済上の基盤や安全保障上の信頼関係を一方的に傷つけているのは韓国だ。韓国は理性を欠く一連の行動を反省し、直ちに撤回しなければならない」
産経社説が指摘するように信頼関係を壊しているのは韓国だ。韓国の行為を産経社説は「理性を欠く」と批判するが、それはもっともな批判である。
だが、産経社説は冷えた日韓の関係を改善する手だてを示していない。そこが残念だ。社説である以上、日本がとるべき解決策をきちんと書いて主張すべきである。
沙鴎一歩の提案は、前述したように韓国の弱点を攻めることだ。ぜひ安倍政権に実行してもらいたい。