留学生選定にはコーディネート料+年間200万~300万円の手数料

しかし、留学生を迎え入れる側も、楽ではない。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Jan-Otto)

学校生活だけ面倒を見ればいいというわけにはいかないからだ。18歳以下の生徒が異国で生活をするわけなので、24時間態勢で、指導を行うことになる。また、留学生は「アタリ」「ハズレ」が小さくないのも悩ましいところだ。一度、迎え入れたからには、特別な事情がない限り、3年間は在籍することになる。選手として実力が不足している、実力は素晴らしいが素行が良くない、勉強についていけない、日本での生活になじめない、チームメイトと打ち解けられない。そんな問題が次々と浮き彫りになってくるのだ。

さらにお金もかかる。学校側の大半は現地の事情に詳しい代理人を介して、留学生を選定している。そのコーディネート料が必要となり、中には、それにプラスして留学生1名あたり年間で200万~300万円ほどの手数料を要求する代理人もいるという。

世間からは留学生がいれば強いのは当たり前と見られる。その中で問題が起きれば、学校の評判は下がる。バスケで殴打問題が起きたが、費用をかけて、面倒も見て、本当に泣きたいのは学校側かもしれない。

高3でも日本語をほとんど理解できない選手もいる

そして、留学生の“待遇”は学校によって、かなり差がある。実際に取材をすると、日本語で堂々とインタビューに答えることができる留学生がいる一方で、3年生になっても日本語をほとんど理解できていない選手もいる。

高体連は外国人留学生のインターハイの参加について、「在籍する高等学校を卒業する目的で入学した生徒(短期留学は不可)であること」と明記しており、授業についていけない選手は、その目的に沿わないことになる。だが、日本語の理解度を考えると、授業についていけているのか、かなり疑わしい。

貧しい家庭出身ばかりとは限らないが、アフリカからの留学生は、年に一度の帰省時には、家族にお土産をたくさん買って帰るのが大半だ。中にはわずかな奨学金を貯金して、家族に仕送りをする選手もいる。